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2008.07.26

「ハプニング」

ここしばらく、ナイト・シャマラン脚本監督の作品は、人の評価を聞いてから見る慎重姿勢で来たのだけど、久しぶりでもあるし公開初日に見てみた。それで、この監督の作品の見方を、私は今迄間違っていたことに気づいた。

シックス・センスのトリックは、非常に印象的で強い感動を呼び起こしたので、観客は、それに続く他の作品にも当然のように同様のものを期待することに気を取られ、本来のこの監督作品の味わいを見過ごして来たような気がする。そういうことに、遅まきながら気付いたという意味で、見る意味はあった。以下ネタバレ。

一言で片付けようとすれば、この映画のテーマは、今流行の環境指向であり、ヒトの過剰ともいえる経済活動への反省だ。自然からの警告のサインとして使ったネタは、それなりに意外性があり悪くはない。でも、この作品で見るべきはむしろ、神経症的な一組の男と女と子供が、悪夢のような「ハプニング」を乗り越えて、落ち着きを取り戻したことにある。たったそれだけのことなのだけど、日常的な状況では乗り越え難いものがそこにあるからこそ、こうした危機的な状況設定が成された、ということなのだろう。

彼が描くものは、安っぽくて醜悪なクリーチャの形をとったりはしない。その代わりに、観る側の想像の中の原初的な恐怖に語りかける。そうしたものを忘れていなければ、そこそこ楽しめる一本といってよい。

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