« 雑記080624 | Main | 気候変動と人の移動 »

2008.06.29

「ミラクル7号」

「少林サッカー」「カンフー・ハッスル」で、「ありえねー」面白さを見せてくれたチャウ・シンチーが監督・製作・脚本。この人のつくる映画は、可笑しさと切なさがないまぜになって独特。今回もその期待を裏切らない出来。ただし、設定はこじんまりしているので、今度は趣向を変えて、どらえもん風味の小品を丹精込めて作ってみましたという感じか。以下ネタバレ。

小学生の学園もの?としては、設定からキャラクタからストーリーまで、かなりオーソドックス。いじめっ子グループと一緒に喧嘩両成敗で立たされて、ふとしたことで仲直りするとか、美人で一途で仕事熱心な女先生登場とか、もう絵に描いた様なお馴染みの話しが、きっちり組みあがっている。そうして基本を踏まえた上で、ディテールの随所にこの監督らしさが出ていていい。

出だしのしばらくは貧乏親子の日常生活をじっくり描くのだけど、その中で、ゴキブリを使った笑いのシーンがあって、ここの笑いをとるときのエスカレーションのさせ方がうまい。それも、さりげなく処理して次へ繋いでいくので、無理やり笑わせるようなTVのバラエティなどにありがちな毒々しさがなく、さっぱりしている。
ほかにも、ありえねー的な笑いがあちこちにあって、漫画的なところは少し抵抗があるけど、徹底してい嫌味はない。
自作のパロディのほか、MI2(だっけ?)の有名なサングラスのシーンもパロったり、笑いのメニューも盛りだくさん。

そして何と言っても、うら若い美人のユエン先生だ。チャウ・シンチーという人は、男の観客の目線を、骨の髄までわかっているよね。間違いなくわかっている。よいなあユエン先生。こういう俳優さんを自分で見つけ出して起用するあたり、監督の目線の置き方が好きだ。チャウ・シンチーは我らの仲間。他人とは思えない(笑)。

そうそう、主役の宇宙人のおもちゃ、ミラクル7号のことをすっかり忘れていた。これはもう、どらえもんのパロディだろうか。いやETかな。何の役にも立たないところが、監督入魂のキャラクターらしくていいのだけど、そんな役立たずが、最後に献身的な働きで電池切れになってしまうところなど、切ない。ところが、エピローグでちゃんとお約束が用意されていて、これも嬉しい。

目に付くところだけ拾っても、次から次によいシーンが浮かぶけれど、それを支えるように、監督の個性がしっかり出ているのが、一番よい。

ところで、チャウ・シンチーに負けない演技をしていた主役の子は実は・・、それは公式サイトを見てのお楽しみ。信じられない驚きがあります。

あまり話題になっていないけれど、作品にも、役者さんの実生活にも、チャウ・シンチーらしいヒューマニズムを存分に感じさせてくれる一本でした。

|

« 雑記080624 | Main | 気候変動と人の移動 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/7081/41685722

Listed below are links to weblogs that reference 「ミラクル7号」:

« 雑記080624 | Main | 気候変動と人の移動 »