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2008.05.18

「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」

ソ連が侵攻したアフガニスタンに対して秘密裏に行われた武器供与の、舞台裏を描いた作品。冷戦時代のお話しは暗く重いのが多い印象だけど、トム・ハンクスとジュリア・ロバーツを配して、明るく楽しく柔らかいタッチで描いている。誰にでも安心してお勧めできる一本。以下ネタバレ。

明るくといっても、そこは曲がりなりにも下院議員と大富豪に途上国各国の要人が絡む映画だから、決してお馬鹿風ではない。会話のスピードも切り替えも速く、むしろ知的な感じが強い。この映画が暗く重いものにならない理由は、彼らの忙しさに多く由来するのだろう。活動的で多忙な空気は、基本的に明るく快活だ。

その日々の忙しさの中で、下院議員のドラッグスキャンダルなども交えて、楽しいどたばたを繰り広げながら、史上最大規模の額に達する秘密の武器供与作戦が進められる。良くも悪くも、一昔前のアメリカはこうだったのだろうか。

前半で、ウィルソン議員が少年時代の飼い犬のエピソードを美人秘書に話すくだりがある。どんなお話しかは見てのお楽しみだけど、これは効く。彼は「それ以来、アメリカという国が好きになった」というのだが、誰でもそう思わずにはおれない。抽象的な理念を一言も口にせずに、ごく短いエピソードで人の共感を勝ち取るスタイルは、ウィルソン氏の懐の深さを感じさせる。

その彼も、作戦成功後の仕上げのステップ、ソ連が撤退したあとの教育については、予算を確保することができなかった。米国のような政治大国であっても、必ずしも真理をよく弁えている政治家ばかりではない、ということの表れだろうか。

作中にところどころ、今日のあの地域の変化を先取りするような台詞がちりばめられている。宗教原理主義に対する警戒や、継続性のない施策の失敗を予見する言葉は、いまとなっては誰にでも理解できるけれど、先見性を表しているのか、後付なのかはわからない。
最後に、CIA出身の有能なスタッフが、「人間万事塞翁が馬」風の教訓を垂れていたのが印象的。

結局、この映画が何を言いたかったのかははっきりしないが、きっちり2時間、楽しませてくれる一本ではありました。

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