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2008.02.16

「エリザベス・ゴールデンエイジ」

ポスターの端正な女王のトサカみたいな頭を見て、観にいくかどうか大いに悩んだのだけど、とりあえず観てよかった。映画の中の女王はもう少し人間臭くて知性を好む人間に描かれていて一安心。退屈を感じてもおかしくない話しの運びのはずだけど、結構引き込まれた。以下ネタバレ。

史上では、母と姉は処刑の憂き目にあっているし(姉は自分が処刑の命令書にサイン)、恋愛も何度かしてるし、国王至上法とかも復活させて、法王から破門されてもへいちゃらだし、いろいろ新しい試みをやっている人だそうな。映画はそういったエピソードを、女王の素顔を絡めつつ描いていって、アングロサクソンの拡大の礎になったこの弱小イングランドの女主人の断面を見せてくれる。

当時、貧乏だった英国が金持ちスペイン船への海賊行為にお墨付きを与えていたのは事実みたいだし、怒ったフェリペ2世が、ほかにいろいろかこつけながらも大海軍を差し向けるのはむしろ当然。なんだけど、海賊風情みたいな軍隊でこれに勝ってしまうあたり、ただものではないのであります。自分で指揮したわけじゃないのだけどね。人の使い方が上手いのかもしれない。

何かというと神様とか大義とか持ち出すのは、平和な時代に優越的な地位にある者に有利な思想であって、弱小国でそんなことをやっていたら既存の序列に組み込まれるだけだ。そういう思い切りと現実主義がこの女王様(と側近達)の良さだろう。

そういう誰も恃むところのない自律の気概あるわれらが女王様的な良さと、やっぱりそこは女だもの回りがなんとかしてやらなくちゃな的な結束の芯とが同居したのが、この稀代の女王様だったといえるだろうか。

こういう役はケイト・ブランシェット似合う。撮影の背景の重厚さもなかなか。
ということで、映画そのものを楽しむというより、エリザベス一世という人に思いを馳せるのに恰好の一本でした。


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