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2008.01.26

「テラビシアにかける橋」

シンプルで瑞々しい。不思議な手作り感があり、凝ったところは何もないのにリアリティを感じさせる深みがあって、記憶に残りそう。以下ネタバレ。

原作は児童文学の名作だそうで、学校から帰った後に森で遊ぶ場面のボリュームはかなり大きい。ここだけを見ていると他愛もないのだが、それがこの映画の見せ場ではない。学校や家庭の様々な現実のシーンと、森の中で想像の世界で遊ぶシーンが交互にあって、子どもの瑞々しい感性と、困難を咀嚼していく課程が描かれている。

俳優さんが俳優であるということを観ている方が忘れるほど、登場人物が本物に見える。この映画、お話し自体はどうということはないのだけど、なぜか非常にリアルだ。作中では、最後に悲しい出来事が起きるのだが、その出来事の起こり方、周囲の大人の対応、特に主人公の父親のシンプルな言葉は胸に迫るところがある。

観た後で公式サイトを読んでみて、その理由がわかったような気がする。原作は、作者の息子さんに起きたできごとを元に書かれたそうだけど、その息子さん本人が映画の製作に関わっているらしい。リアリティはディテールに現れるものだけど、ちょっとした話しの運びなどに、作り手の体験が生かされているのかもしれない。

子役の二人も、子役というより一人前の俳優と言っていいのではないか。レスリー役のアナソフィア・ロブは、これが地なのかもしれないが。父親役のロバート・パトリックは、紋切り型の父親像とは微妙に違うリアルな大人をうまく演じていた。この人があの無表情なT2000とは思えない(笑)。ほぼ出ずっぱりの主人公ジェス役のジョシュ・ハッチャーソンは地味な主役という難しそうな役どころだけど、役を演じているという感じは全くなかった。

エンディングは少しだけ違和感があったけど、全体にいろいろ忘れかけていたことを思い出させてくれる良作でした。

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