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2008.01.19

「28週間後」

伝染病の恐ろしさを獰猛な感染者の振る舞いで表現したかのような前作に続いて、またも、爆発的な感染拡大の恐怖を観客に印象づけた作品。映画としてはいまひとつだが、今年流行の話題「パンデミック」に興味があれば、見てもいいかもしれない。以下ネタバレ。


前作「28 days later」は、ちょっと衝撃的な映画だった。
その容赦ない展開と、スクリーンに映し出される徹底した破壊衝動は、普通の映画では考えられない激しさだった。私はホラー系の映画をあまり見ないので、こうした映像と展開に慣れていないことも大きかったが、それを割り引いても、公開当時、物議を醸すほど激しい表現だったと思う。

このシリーズの真の恐ろしさは、5秒前までは家族や隣人だったものが、風に吹かれたように瞬時に恐ろしい敵に変貌する、例外を許さない情け容赦ない展開と速さにあった。感染した者に一切のためらいを感じさせない描写を背景に、今は行動を共にしている仲間がいつでも獰猛な敵に変貌し得るという、救いの無い緊張状態にあった。

それと比較すると、今作は、前作を出るものではなかったのではないか。むしろ、続編であるためか、前作より映像や仕掛けをエスカレーションさせざるを得ず、そちらの方に意識が向いてしまっていた。米軍の火力の凄さなどは、美しいとも言える映像に仕上がっていたけれど、それがこの映画のテーマではないだろう。その意味で、少し焦点が弱まったように見えた。例外や知性の痕跡を持ち込んだことも、表現を弱めていたと思う。

そのほか、記憶をたぐると、たしか前作のエンディングは、比較的救いのある状況だったと思うのだが、今作は・・それは見てのお楽しみとしておこう。

実際の感染症については、宿主に致命傷を与えるようなものはさほど長続きしないというから、この映画が描く人間性を破壊するような悲惨な事態はたぶん起きないのだろう。
とはいえ、隔離という形での人権制限は、例外なく厳格に行われなければ全体の危機につながるという点では、やはり深刻なものになる可能性はある。

日々の営みにまぎれて忘れている感染症の怖さを、ちょっと思い出させてくれた作品でした。

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