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2007.12.01

「ベオウルフ」

ゲルマンの叙事詩らしく、膂力百人力の英雄が大活躍する話し。に、ちょっとギリシャ悲劇風?の味付け。映像もなかなかだけど、お話しとして結構楽しめる。以下ネタバレ。

 

力が強くて向こう見ずで自慢話しで大法螺を吹く程度には気が大きい若き勇士ベオウルフ。若気の至りのちょっとした嘘と過ちをひとり秘密に抱えながら、英雄だの伝説だの言われて王になってしまい降りる訳にもいかず、そのままいつしか年老いた彼を、秘密を薄々知りながら、ひっそり見つめて寄り添う王妃。
老境に入った王の上に、若いときのその間違いがとんでもない災厄となって民と后の上に降りかかる。自分が招いた災いと最後の決着を着けるために再び敢然と立ち上がる白髪の王。いいなあ。このお話し。
テンプレートとかお約束とかの小賢しい批判などものともしない物語の王道、黄金のパターン。素晴らしい。

その上、人知を超えたものと人との関わり、因果応報の悲劇など、優れたお話しに欠かせない要素もちりばめ、大いに楽しめる娯楽作品に仕上がっている。

黄金パターンにあまりに忠実なので話題を取るには苦労しそうだから、3Dを取り入れたのも悪くないと思う。それでより多くの人がこの物語を楽しめれば、十分役割を果たしたと言えるだろう。

残念ながら、静的な部分での3Dは、目に付く割に成功とは言えなかったかもしれない。人の表情などの微妙すぎる部分はまだまだという印象だ。アンジェリーナ・ジョリーのCGが演じるWitchは、出来の悪いマネキンみたいでやや無理があった。本物のアルカイックな微笑みをもっと研究してもらいたい。これが本物と区別がつかないほどになったら、映画というものも大きく変わるのかもしれない。

一方、巨人やドラゴンとの死闘の場面で3Dは結構効果的だ。ローアングルなどの目立ちやすい部分よりも、むしろ、観ている方が意識しないくらいさりげなく使われている部分が効く。たぶん2Dで見たら迫力はかなり削がれるだろう。
もちろん、2Dにはそれに適した3Dとは違う技法があるだろうから、単純に比較することはできないが。

たぶん、いまさら3Dなんてという批判もあると思うけど、アクションファンタジーとしても、昔語りのお話しとしても、私はたいへん楽しめました。
3dglass

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