« MAGENTA are kidnapped ! | Main | 雑記071116 »

2007.11.15

「クワイエットルームにようこそ」

歌番組などほとんど見ない私は、内田有紀という人は昔お菓子のTV広告で見かけた程度のアイドルなのかと思っていた。けれどもこの映画の中の内田は一人前の女優に見えた。内田と周囲の脇役達を見ているだけで結構満足できる。それはやっぱりアイドル映画と呼ぶべきなのか(笑)。そうありながら、味のある映画でもある、満足度の高い一本。以下ネタバレ。


最初は、どたばたの莫迦ばかしさに思わず席を立ちたくなるのだが、表層の莫迦さ加減の下にシリアスな部分がチラチラ見える。そのチラリに乗せられて少し我慢して観ているうちに、だんだんと引き込まれていくことになる。この辺りのバランスはうまい。

シリアスな部分も、乾いた目線と慈しむ目線が交じり合っているようで、この感覚は私には合う。どろどろ重くもなく変に浮いてもいない、地に足が着いて楽天的な感じ。作り手の感覚でもあるだろうと思うのだけど、それが滲み出ている点がこの映画の良さかもしれない。

お話し自体は、精神病院の閉鎖病棟という特殊な環境で展開するから、適当に割り引いて見ていればいい。本物とはもちろん違うと思うけど、舞台装置ということで、これでいいのだろう。

描かれるのは、ごく普通の人の狂気とそれを抱えて共存していく姿、というところか。考えてみると、放送作家が作り出すテレビの馬鹿番組はひとつの狂気といえる。それを素材として取り込み、精神病院の本物の狂気と並べて見せ、さらに、そうした狂気達と普通に共存している人間の厚かましさ、ずぶとさ、いいかげんさを描いて、観る側に妙な安堵感を与えてくれる。

観てから一週間も放置していたのでよく覚えていないのだが、なんだかいい映画を観たなという感触と、原作・脚本・監督の松尾スズキという名前が記憶に残った一本でした。

|

« MAGENTA are kidnapped ! | Main | 雑記071116 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/7081/17087286

Listed below are links to weblogs that reference 「クワイエットルームにようこそ」:

« MAGENTA are kidnapped ! | Main | 雑記071116 »