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2007.10.20

「エクスマキナ」

これはおいらの記憶にあるデュナンとちがーう。硬い殻の内側にナイーブなところがあるのが魅了のキャラクタだが、映画の描き方では殻がない。これではあの独特な空気や、ブリアレオスとの強い絆が際立たない。映画宣伝のキャッチコピーに「愛」などと入れているのはもうお笑いというしかない。

という最初の違和感は徐々に薄れて、なんだかもうこの3Dに馴れました。原作者が参加してるのだから、これがデュナン・ナッツですといわれればはいそうですかと言うしかない。好きな人は好きというSFエンタテイメント。以下ネタバレあり。

 

士郎正宗がアップル・シードを描いてから、はや・・22年! びっくり。もっとも、ブレードランナーはそれより更に3年も古いのだから、おいらも歳をとるわけだ。

レプリカントが、感情が不安定という設定だったのに対して、バイオロイドは逆に感情が安定しているところがミソ。人間よりも優れた生物(?)として、荒廃した世界に影響力を及ぼしている。人間は、戦争で世界を壊した負い目もあり、内心の反発を押し隠してそれを受け入れているという設定。だったと思う。

原作は未完のままだから、それでその後どうなるというわけではない。映画のほうで、そこを見せてくれるかと淡い期待を抱いたのだけど、残念ながら普通にエンタテイメントして終わりだった。映画のような大仕掛けになると、漫画家が自分で頑張る範囲を超えて大勢の作り手を巻き込むから致し方ないとはいえ、あまりにテンプレートなお話しで少し残念。

漫画の原作では、テロが世界の主要な軍事的紛争になっていて、国境を越えて他国にまで作戦行動をする治安部隊というものが普通に描かれていたのが当時斬新に思えた。イラク戦争が始まったとき、うへー士朗正宗が描いたそのまんまじゃ、と思ったりもした。けど、その後アップルシードの世界は停滞して、現実が追いついた感じがする。紛争についてはそんなところ。

遺伝子操作と人間の複製については、漫画も映画も超楽天的。本当はそこが怖いところのはずで、「わたしを離さないで」(カズオイシグロ)のような胃にしこりができそうな話しが本筋のはず。とはいえ、そこはまあ、別の作家なり作品が扱う話しなのだろう。


ということで、なぜかデュナンの引き締まったお尻を際立たせるようにできているESWATのインナーとか、相変わらず超かっちょいいメカのデザインとか、STARWARSとMATRIXとラピュタからそれぞれもろに頂いてきて合体させたクライマックスとか(クレーム来ないのだろうか?)、見所は結構あるから、そこに注目すれば十分楽しく過ごせる一本でした。

シリーズ化するのだったら、次作では、誇り高きエコノミックアニマル(笑)の末裔たるポセイドンを舞台に、吉野ハジメのダーーークな面など描き出してほしいです。はい。

 

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