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2007.09.04

米国的福利

日経本紙 大機小機「サブプライムの人々」

「過去1年間に1ヶ月以上の延滞が2件」「所得に対する債務返済負担比率が50%以上」の人も含むなど、日本の常識から言えば極めてリスクが高い。
 その大半は低所所得層だ。伝聞だが、英語の契約書をまともに読めない人や、特別に口座開設を認められた不法移民もいるとか。
ここを読む限り、日本国内で一般的な「貸してはいけない人々」という評価は妥当に思えてくる。ところが。
サブプライムの対象になるような人は、むしろ米国の経済成長を陰で支えてきた。
供給面では、不法移民らの最初の職である農業や洗濯、建設業などで、たとえ最低賃金でも働き、物価上昇の抑制に貢献した。多少の蓄えができた人が各種サービス業を開業し雇用機会を作り出したのを含め、1990年代の10年間にわたる好況、最近6年間の景気拡大に寄与した。
これを、搾取と見るか活力と見るかは意見の分かれるところだろう。同じ現象でも、見る側の思惑によって変わる。
低価格が売り物のウォルマート・ストアーズの繁栄は彼らを抜きに語れない。住宅ローンも安易に借りたのではなく、家族のため相当の覚悟で契約書にサインした人が多かったのではないか。
また、カトリック系移民の子沢山も手伝って合計特殊出生率は2を上回り、米国は少子化を免れている。
さて、日本では、こうした人たちが家を持てる機会はまず絶対にないだろう。その代わりに、こと細かな条件や精神的屈辱を伴った(つまりは官僚的な)「救済」制度が提供されている。それは確かに福利厚生の一般的な方式なのだろうけど、上の記事を読むと、福利という効果を生み出す別の方法もありそうに思えてくる。

人の生活の基本である「住」について、これほどの機会と寛容が提供されている米国という国には、自由主義を補完するある種の「福利」が働いているのかもしれない。それも計算に基づいた企業活動として。

 

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