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2007.08.05

コンテンツプロバイダと著作権

今日の日経本紙「そこが知りたい 自社コンテンツのネット配信 なぜ積極化?」
に、角川歴彦氏へのインタビュー記事が載っている。

「角川グループはユーチューブ上の著作権侵害の世界最大の被害者だ。消費者が無断で切り取って同サイトに投稿した角川作品の動画映像は現在合計15万本程度に上り、これまでに1億回程度閲覧されている」

「それでもユーチューブは動画を絡めた新種の創作活動と需要を生み出す強力な仕掛けだ。大衆が支持しており、否定ばかりしていても意味がない。当社にも恩恵が及んでおり、国内で8万セット売れて喜んでいたアニメのDVDの英語版を出したところ米国だけで6万セットも売れた。ユーチューブが米国市場を地ならししてくれた効果だ。」

Youtubeは広告媒体なのだということを、この人ははっきりわかっている。
「著作権を尊重できる仕組みさえ整えば、前向きにつきあうべき存在。著作権の管理技術に協力するのもそのためだ」
ここは注意が必要。著作権を完全否定しては、コンテンツプロバイダとして商売が成り立たないのは紛れもない事実。だから、まず「尊重」という基本線は譲れない。
その上で、販路や新市場の開拓には需要の掘り起しが必要であり、そのためには・・というビジネスパーソンとしてのバランス感覚が記事から感じられる。
「私が話す俳優や脚本家にはネット配信が嫌だちう人は少ない。放送番組の出演者や他の権利者の中に、放送内容をネット配信などに二次利用することを拒否する人がいるが、他の権利者が新たな収入を得る機会を奪っている。今後、彼らは損害賠償を求めて訴えられる事態もあり得る」
この見解は私は始めて聞く。著作(隣接)権の利害関係者として、角川自身が、自己の得べかりし利益を毀損する者に対して、訴訟という手段を使って対抗する、という意思表示だろうか。かなり新しい展開が今後あり得る予感。
「日本ががんじがらめの著作権制度を続けるなら、コンテンツ企業のサーバが海外に流出してしまう恐れもある」
GoogleにしろYoutubeにしろ、膨大な日本からのアクセスを持っているのに日本国内にサーバを置けない事態は滑稽ですらある。
「ネットの進化と(漫画やアニメなど)日本のポップカルチャの世界的な人気が加わってコンテンツ産業にチャンスが来ている。我々は世界の販売網整備でハリウッドより百年遅れているが、ネットで市場がグローバル化したことでハンディを克服し世界に打って出られるようになった」
狙いはハリウッドの持っている市場、ということで、スケールがわしらドメスティックな人たちとは違います。
特許とは異なる性格の著作権というものの扱いを、文化庁の人はよく研究して、儲かるための環境整備の方向で施策を打ってほしいです。
 

それにつけても、記事のポートレートを見る限り、角川氏はジャッバ・ザ・ハットの末裔であることは疑いを容れないと考えるが、どうか。
 

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