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2007.07.28

「レミーのおいしいレストラン」

PIXER×DISNEY コンビに、はずれなし。を再確認できた。はずれがないどころか、常に水準をはるかに超える作品を出し続けられるのはなぜなのだろう。今回は冒頭のおまけ映像で、その秘密の一端も明かされる。以下ネタバレだけど、人の話しなんか聞く前に観にいったほうが絶対よいです。

 

ファンタジーの良し悪しは、ファンタジー的な要素と現実世界の喜怒哀楽をどう混ぜ合わせるか、その意外性やバランスが大きな要素を占めると思う。

この「レミーのおいしいレストラン」は、お話しの筋自体は、よくできているとはいえありそうな典型だけれど、そのどの部分、どの転換点、どの見せ場でファンタジーを使うか、どういうことはそれと知らせずに上手に捨象するか、というところが実に程よくできている。

これに先立つ一連のPIXER×DISNEY映画全てに言えることだけど、この作り手たちは、面白いとはどういうことかを本当によく分かっているのだと思う。その上で、実写や生身の俳優視点では不可能な様々な映像で観客を楽しませてくれる。

 

お話しの設定に、まずネズミを主人公にするという意外性を持ち込み、そこから派生するネズミ視点の風景や、人間が使う調理道具をネズミが上手く使う小ネタなどを、もったいないくらいにふんだんに見せてくれる。

筋書きは、ありがちな人間の登場人物の成長物語に逃げることなく、あくまでも主人公ネズミの天賦の才が、どうハッピーエンドに繋がるかを描いている。

ネズミという嫌われ者と人間世界との軋轢を、無理のある和解や人間への変身などの子供向けの解決でお茶を濁さず、知恵を効かせた結末に持ち込んでいる。

さらに、御伽噺のなかに、少し風刺の効いた大人風味もあって、ますます味が深くなる。批評家について、映画の製作側から日頃思っているに違いないことを、当の批評家自身の述懐として無理なく語らせるところなどは、実に憎い演出。

そう、この映画は、設定が荒唐無稽にも関わらず、無理がない感じがする。たいへんな熟練や思慮の深さがその裏に感じられて、それが作品の価値につながっているのだ。
 
 

そんなこんなで、この映画は必見です。

スティーブ・ジョブスがディズニーの経営陣に入ってくれて、本当によかった。
今後もこの2社コンビで作品を作り続けてほしい。


 

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