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2007.06.14

v6/v4問題の本質

インターネット社会主義の終焉

今年3月に開かれたAPNICの会議で、JPNICはIPv4の割当をやめてv6への移行を促進する"IPv4 countdown policy"を提案して、却下された。この提案についてARIN議長のRay Plzak氏は「IPv4は枯渇しない。その対策としてはv6だけではなく、市場化によってv4のアドレスを再利用することも考えるべきだ」と批判している。
IPv6賛成の人は、これにきちんと反論すべきと思う。
 

それはそれとして、コメントの中に、有用なものがある。

やはり不動産市場にならって市場価格の数%を課税する固定資産税が効果的ではないでしょうか。アドレスを死蔵すると費用がかかるようにして流通を促進すれば、IPアドレスを効率的に利用して収益を得られる経済主体の手に渡りやすくなるでしょう。
使い切れもしないクラスAを抱え込んでいるところから、大量の死蔵アドレスをこの方法で吐き出させることができれば、かなり問題は違って見えてくるかもしれない。

 

この話しで、賛成反対両派の話しがすれ違う理由は、v6をどこで活用するか、そのイメージの違いからきていると思う。

KDDIの携帯などは既に1台にひとつのv6固定アドレスを割り当てていると聞くし、NTTのNGNも内部処理はv6で行うそうだから、既にv6は十分に普及し始めているのだと思う。なるほど、国内、国外を問わず、大量の要素を含むローカルなセグメントを抱える事業者にとっては、v6の方が扱いやすいに違いない。

だから議論の余地があるとすれば、グローバルアドレス空間をどうするか、それだけなのだけど、これは上の記事にも書かれているとおり。

またセキュリティの面からみると、おっしゃるように大部分の人にとってはE2Eはかえって危険です。だから市場で取引しても、グローバルアドレスの需要はそれほどないでしょう。
ということ。

問題の本質はここにある。仮にv6に移行したとしても、セキュリティの観点から、NAT(を使った管理された匿名性)を無くすわけにはいかない。つまり、v6賛成の人たちが夢想するような、v6でフラットに繋がったグローバルな実名空間というものは、一般社会では受け入れ難い。

私がNTTのNGNに賛成なのは、アドレス空間を管理するNTTという企業を私が信頼し、個人情報を預ける代わりに一定の匿名性や通信の秘密を保持してもらいたいから。
グローバルなアドレス空間を管理する主体が、それと同様の信頼を、グローバルな世界中の利用者から勝ち取るのは、まだずっと先のことになると思う。それこそ、世界政府ができるとか、通信企業が世界に数社しかない、とかいう状況が現れてからのことだろう。

誤解のないように付け加えておくと、クローズドな学術ネットなどは、いまからずっと先行していて世界中でフラットでも一向に構わないわけだけど。

 

もうこの話しは結論が見えたのではないか。

 

[追記]
グローバルアドレスもv6に移行するタイミングとして、もうひとつあるのを忘れていた。
グローバルアドレスを同時に使うリクエストが、v4のアドレス空間を越えそうにまでなった時点、というのがそれだ。普通は、パソコン立ち上げっぱなしは考えにくいから、「同時に」の条件は結構シビアあ状況になってからだと思う。携帯のほうは、やはり通話/通信しっぱなしは考えにくいものの、基地局と常に交信し続ける用途などが開発されれば(リアルタイム位置追跡とか)、あんがい名前空間を食うかもしれない。

いずれにせよ、v6/v4は、もうあまり重要な問題ではなくなった。
当面、NAT等の仕組みによって、発IPアドレスが隠蔽されれば、それでいい。
 
 

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