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2007.06.24

「ゾディアック」

名前はなんとなく聞いたことがあったけど、こういう事件だったというのは知らなかった。本で読めと言われたらきっと読まなかっただろうと思う。そういうものを映画で見られるのは素直に嬉しい。

だから、この映画から無理に何か理屈っぽいことを引き出さなくてもいいのかもしれないけれど、ひとつだけ。ネタバレあります。

 

たくさんの容疑者を相手にしなければならない本職と、自分の思い込みだけで行動してかまわない一般人との違い、というものがよく描かれていた。ネットが普及したことで、プロシューマみたいなものがクローズアップされる時代に、これはタイムリーだったと思う。

もちろん、本職が積み上げる日々の情報は、厚みも広さも素人の手になるものとは比較にならない。素人である新聞社のイラスト描きが何度も「それはもう調べた」という壁にぶつか事実が、本職の仕事の精密さをよく表現している。

にも関わらず、大量のノイズに向き合うことを余儀なくされる本職の方法論は、必然的に分業と確率論に拠って立つことになる。そのプロセスの中で、わずかな横糸は見落とされがちだ。素人の手法が時に本職のそれを結果的に上回る成果をあげるのは、そういう横糸を見つけ出したときだろう。

この映画はそういう数少ない興奮を見せてくれる。満足のいく一本でした。

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