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2007.06.10

知識の代償に失くしたもの

ホクレア号という船が、みなとみらい桟橋に来ているというので、見に行ってみた。
朝からの曇天が本降りになってきた昼ごろ桟橋に着いてみると、居ました。普通じゃない船が。

長めのカヌーを2本使った双胴船でマストも2本。全長は10Mくらいだろうか。こんな小さな船で太平洋を押し渡る、その無謀さと勇気に乾杯。
 

もっとも、夏の伊豆七島には、これと同じクラスの今風の帆船が東京から来ていたりするから、案外、船のサイズは問題ではないのかもしれない。

むしろ、方向や位置を把握する航海術や、嵐を避ける予測術の方が重要なのだろう。同時に、行く先に何があるのか知っているのと知らないのとの差も大きい。

時々、酔狂な現代人が小さな船で大洋を渡って成功できるのは、目的地が何であるか知っており、天候は衛星から見えていることに、大きく依存しているのではないかと思ったりする。その点、このホクレア号の航海は、そうした便利な情報に頼らずに行われたというから、やはり凄い。

 

現代人から見れば、目的地や嵐に関する知識・情報を持たない状態でこうした航海に乗り出すことは、無謀以外のなにものでもない。

ところが見方を変えてみると、昔の人は、知識がないために見えない部分を、「神様」というものに丸投げしておくことができたとも言える。だから余計なことを考えずに目の前の実践に集中できたことだろう。その割り切りと集中は、現代人が知識と引き換えに失った大きなものなのではないか。
諦めとは違う、運命に対する強靭さみたいなもの。

そんなことを、この小さな船を見ながら考えた。

 

雨があがって、晴れ間の桟橋に浮かぶ船は、案外頼もしげに見える。ここまでの航海は道のりの半分で、これからハワイを目指しての帰路が残っているのだそうだ。

「神様」のご加護と幸運がこの勇敢な船の上にありますように。

 

ホクレア号、明日横浜港に到着

 

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