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2007.05.26

「しゃべれども しゃべれども」

青春映画としてよくできているだけでなく、噺家の日常が活き活きと感じられて新鮮。これは案外記憶に残るかもしれない映画。以下ネタバレ。

 

毎日毎日、火や電気を大量に使い、必要以上のカロリーを貪欲に食い、巨大なビルを建てて車を乗り回し、世界の裏側に住んでいる人が撮った写真をその日のうちに見る。そんな巨大なエネルギーの浪費をしながら、私は生きている。

江戸の、つまり産業革命(と情報革命)前の時代の庶民の話しは、そんな自分の無駄山盛りな生き方を自覚させてくれる。その無駄をそぎ落として残るものに共感できる部分があれば、それが人の生き方の本筋だということになるだろうか。そこに目を凝らせば、笑いの中に涙も怒りもある。そっくり返ってみたりしょげ返ってみたりする自分が見える。聞き終わった後に、再生されたような自分が居る。

江戸前にしろ上方にしろ、落語というものにはそういう効能があると思う。

 
私は寄席とか落語会に行ったことは実はない。死んだ親父がよく聞いていた名人のLP全集がなんとなく耳に残っている程度。圓生とかなんとか書いてあったろうか。

にもかかわらず、こうして少しだけ噺家の世界を覗いてみたつもりになっただけで、そんなことが頭に浮かぶ、というくらいに、この映画はよい味に仕上がっている。

役者さんはもちろんプロの噺家ではないから、話芸を演じる部分をカット無しで撮影すればボロも出るだろう。そこをうまく繋げて、映画というフレームの中の落語とでもいうものを迫真の映像に仕立てている。役者もすごいが監督もすごい。

そして、これ以上はないだろうという脇役の面々。師匠をはじめ、話し方教室の生徒の面々、主人公の祖母など、いずれもぴったりはまっている。特に子役の子がすごい。大阪の子供ってみんなああなのか。末恐ろしいというか頼もしいというか(笑)。


いろいろ書いてしまったけど、それだけ私は満足したということだと思いたい。これは邦画でなければ味わえない種類の満足だと思う。特攻映画みたいな自己満足映画なぞより、よほど本物の日本人というものを感じさせてくれる。

観て自分が少し成長できそうな気になれる一本でした。

 

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