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2007.04.14

六本木ツアー

今日は一日六本木ツアー。暑くなるらしいので上着なしで出かけたが丁度よかった。以下無駄に放言書き飛ばし。

 

地下鉄を降りて東京ミッドタウンへ。
かっこいい制服(白一色ですよ)の案内嬢がいたので、安藤忠雄の展示会はどこか聞いてみる。方向だけ聞こうと思ったのに一緒に歩き出してくれてしまって、お陰で勝手な路でアプローチできない。やれやれ、仕事でやっている人は過剰に親切だね。ファッションとか気にしない田舎者だから道に迷いそうに見えたかも。

聞いてみると、今日は40人くらいが案内にあたっているそうな。だからどうしただけど、一応それくらいの規模ということで。

世間話しをしているうちに、ミッドタウン正面を横目にどんどん通り過ぎて、はずれの交差点まで来てしまう。おーい。ガレリアの中を通って行こうと思ったんだけど(笑)。

それで、指し示すところをみると、細長い公園の向こうに低い独立棟が。案内嬢と別れて行ってみるがまだ開いてない。時計を見るとまだ10時半ですよ。道理で人も少ないわけだ。そのまま勢いで区画の後ろ側に回り込んで、そちらから高層棟へアプローチ。

鉄とガラスとコンクリートが近代建築の主要材料だけど、超高層で表に見えてくるのは鉄とガラス。この東京ミッドタウンも例外ではない。鉄(かアルミかわからないが)の部分は枯れた竹を思わせる色で塗装。ガラスはやや緑に見えるから、組み合わせて竹林のイメージということなのだろう。テレビでよく見る首相公邸と理屈は同じ印象。モダン和風その2はこれで決まりということになったのだろうか。

仕上げに、ハウスメーカーがこのデザインコンセプトで新商品を売り出せばもう完璧(何)。


ガレリア内部も、同様に和風を意識した内装。障子を挟み込んだガラスパネルやら微妙に木組みを思わせる化粧材やら。外国人向けにはわかりやすそう。
 
 
美術館が中にもある。渋谷公会堂にふざけた名前をつけてくれやがった企業の美術館だ。あの企業は文化事業にいろいろ金を出しているらしいとは聞いているが自分とこの一商品名を公共施設に貼り付けるのはやり過ぎだろう。これまでの貢献が一気に無価値になった気がする。
今日の展示内容はニッポンニッポン。いつも思うのだけどこの種の展示物の価値が私にはわからない。骨董や研究対象としての価値はあるのだろうけど、ぱっと見て美術的な価値があるとは思えないのだ。侘び寂び? それって完成(竣工)当時は極彩色だったりするのでは。風化したものをそれだけの理由で有難がるのは私の趣味ではない。廃墟の美までいけば、それはそれで好きだけど。
ということで、つまらない展示は足早に通り過ぎる。
 
 
富士ゼロックスの展示スペースがある。展示物のほとんどはよくわからないが、古びた新聞紙が入った封筒が目を引く。その解説に「日本万国博覧会がなんら思想的な交流を実現しなかったことに不満がありこれを企画した」というようなことが書いてあって、当時の思索家からの寄稿を30回近く新聞に連載したらしい。時代が下って、この超高層ビル群はどんな思想的交流をもたらすのか、てなこと暗に言いたいのかなー。と思った。違うかもしれないが。
 
 
「The Cover Nippon」というスペースがあって、和風の産品や家の内装などが売られているのだけど、面白いのはフランチャイズを募集しているらしいこと。店内のタッチパネルで案内文を読んでみる。「六本木をフラッグシップとして多店舗展開したい。通常、FCは画一化した店舗だが、各地域の埋もれた産品を掘り起こして、それぞれ個性的な店にしたい」とか。これのさらに面白いところは「各地域の個性が出せる店づくりを目指している」一方で「そうした商品情報を全国店舗にて共有し、地域商品のマーケットの拡大も図って行く」と言っていること。それって一見矛盾します(笑)。

各地域の店舗をショールームとして個性を持たせて、でも商圏は全国、仕入れも全国で、ていうことなんだろうか。ショールームの空間をネット経由で全国の皆様に感じ取れというのは少し無理がありそう。その程度で感じ取れるようなものなら、たぶんニセモノ。ネットはまだそこまでリアルじゃないと思う。

ここのもうひとつの特徴は、「箱プロジェクト」と名付けて、展示箱に商品をディスプレイしていること。そのうち各地の産品がこの箱に並べられることになっていくのだろう。これって、あの「レンタルボックス」とか「レンタルショーケース」と呼ばれているアレそのもの。単に中身がキモからキザに代わったというだけの(笑)。でもうまくいったら面白そう。箱を運営する側の発掘と編集手腕に掛かっている。時々見に来ようかな。 
 
 
腹が減ったので地下のレストラン街へ。フードコートと名前のついた洞窟が、わかりにくい場所にあって、全然「フードコート」らしくないのが笑える。世界のMとかが入っていない。代わりに高く少なくてあんなり美味くなさそうな弁当のカフェテリアに行列している。
パスして、カレー屋に入る。わしら庶民向けの本格インド風カレーが次々に初期のスパイシーで豊穣な味を失って単に塩辛いだけの貧しい味に堕していく中で、このチェーンは比較的まとも。
食後のコーヒーは別店で。スタバだけじゃなくいろいろな米国のチェーンが入ってきている。

このフロアには、スーパーもある。品揃えは普通。値段も案外普通。お土産用の果物屋の値段は偉容。いや異様。宮崎マンゴー1個1万円、山形さくらんぼ小箱で3万円。近所のスーパーの4800円のマンゴーが安く見えます。
 
 
午後は、さすがにもう開館している21-21で、安藤忠雄の作品展。設計したご本人も来ていて、講演の合間に当日販売の21-21写真集にサインして売上げ貢献したりと忙しそう。

この小品を施工した竹中工務店の人が来て解説ツアーをやっていた。本人曰く「建築おたくを通り越して変態」なのだそう。驚いたのはドライエリアに面したガラス面を支える方立ての作り方。一見H型鋼に見えるのだけど、板を溶接してつくるのは「いや」だというので、厚板から削り出してH型にしたとのこと。長さ確保のために工場の壁をぶち抜いたとかの話しも。そりゃ確かに変態だ(笑)。本音は、フランジの幅を極限まで小さく綺麗に見せたくて、そうすると溶接では精度が出ないし見苦しくなるということかもしれない。一言もそうは言わなかったが。まいりました。他にもコルビジェが聞いたらあの世で湯気を立てて怒りだしそうな解説がテンコ盛で楽しかった。
 
 
 
東京ミッドタウンはそれくらいにして、今度は国立新美術館へ。
入場は無料のようだけど、一応、ポンピドー展の切符を買っ入る。ポンピドーセンターで覚えているのは、最初に乗せられる最上階までのエスカレータと、天井の空調吹き出し口の配置だけ。なんかいろいろ展示を見たはずだけど、まるで覚えていない。
今日のここの展示には、ジャコメティの「ディエゴ氏の胸像」があった。「ディエゴ」という胸像が実はもうひとつ置かれていて、剛と柔の対比が面白かった。習作というにはあまりに雰囲気が違うから、対の作品なのだろうか。よく知らないが。

出口の近くに生産技研の建築模型が置いてあった。確か取り壊された生産技研の玄関ホールに置かれていたものだ。建物は取り壊されて模型が残る。現代日本における建築の運命って結構悲惨だが、それはそれとして、生産技術研究の拠点が東京の中心部から追い出されて美術館が取って代わるあたりに、東京の変貌が象徴されているようにも思ったり。

美術館内部は極めてシンプルな計画。考えてみると美術館の導線ってこれで一向に構わない気もする。黒川記章はあんまり設計が上手な人とは思わないけど、こういう割り切りは良いかもしれない。この建物はファサードが命なのだし。

展示を見終わって外に出る。ガラスのルーバーがつくる柔らかい輪郭を通して初夏の日差しを見上げたとき、このファサードに賭けた設計は十分報われていると思った。
 
 
そろそろ帰ろうと、新国立美術館から路を戻ってくると、東京ミッドタウンの高層ビルが正面からよく見える。それで気付いたのだけど、この外観は失敗だ。竹を模した金属の塗装といい、中途半端に取り付けられたルーバーといい、中低層には似合う手法だけど、高層ビルとは合わない。スケールとデザイン手法が合ってないので建物がみすぼらしく見える。

この大きさで日本らしさを上手に出すのは、次の建築を待たなければならないようだ。

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