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2007.04.29

東北行070429

湖の向こう側の山の稜線が明るく輝くのに起こされる。まさに朝日が昇ろうとしているところ。小さな光点が徐々に大きくなって級になる様子を眺める。鏡のような水面に落ちる光のかけらが徐々に多くなっていく。ホトトギスの声がこだまする。

曽原湖、知らなかったがいい湖だな。
水上スポーツや観光はすぐ向かい側の桧原湖でやれて、宿営は落ち着いた曽原湖畔、というのが黄金パターンかも。

テントを畳んで出発。朝早い管理人は、桧原湖で遊ぶ客のためにボートを運んでいる。挨拶すると、五色沼がとても美しいから見ていけという。ビールの礼を言って出発。その五色沼というところを目指す。といっても5分ほどのところだが。

これが確かに美しい。知床で見た五色沼よりも色がくっきりしているように思う。鉱物由来のような赤茶と、藻がつくる鮮やかな緑のせめぎあい。銅イオンを思わせるような青緑の水、それより淡い瑠璃色の水、広い沼の深さを感じさせる青い水。岸辺の葦、沼の間を埋める落葉樹の林。
ここの五色沼の特徴は「竜沼」とよばれる段々の穏やかな滝。水が段を流れ落ちて行く中に樹木が生えた苔むした岩があちこちにあり、枝が屋根になった明るい屋内プールのような趣。いまはまだ芽吹き始めだが、もう少し暖かくなって葉が茂れば一段と趣の深い景色になるだろう。日本庭園の造作の原点はこういうところにあるのかもしれない。

 

五色沼を堪能したあとは、すぐ近くの諸橋近代美術館を見る。ダリの彫刻多数。
昔はダリといえばそれだけで十分シュールに感じたものだけど、へんてこなものに馴らされ過ぎた現代人には、もうさほどの驚きはない。ひとつだけ例をあげれば、吾妻橋のビール会社の本社とか、見慣れた風景だし。

 

峠を抜け米沢へ向かう。
米沢という街は、ガイドブックで見る限りでは上杉家絡みのものが多い。墓とか寺とかにはこのところあまり興味がわかないので、ここでは米沢牛を食べるだけにする。最上川沿いにステーキ屋があったので入ってみる。堤防沿いの桜は丁度散り始めで美しい。

メニューから特上を頼んでみるが、これが失敗。日本では特上というと例の霜降りなるものが出てきてしまうのだった。味は人の好みだが、あの霜降りというのは脂肪の味であって、肉の旨味とは異なるものだ。うっかりしていた。脂でべたべたの、肉ともいえない薄っぺらい代物を我慢して食う。驚くほど高いのにこの不満足。大失敗。

ここの市街地は、古いだけあって道が狭い。そのためか、一方通行が多用されていて、筋をひとつ間違えると目的地とはかなり離れたところへ運ばれてしまうので要注意。あんまり市街地に車を入れないようにしたほうがいいのだろうけど。

 

失敗はすぐに忘れて次の目的地、蔵王へ。今日のキャンプ予定地だ。
まずは大露天風呂を目指す。蔵王温泉街を抜けてさらに急坂をぐいぐい登っていった終点に、その湯はあった。スキーリフトのすぐ横の渓流に湧き出る乳白色の湯をたっぷり掛け流しにしている。岩をセメントで固めたような湯船は、長年の硫黄で白くなっている。たいへんよい。
家ではいつもシャワーを浴びるだけなので、湯船につかるのは久しぶりだ。それに加えて天下に名の知られた蔵王の湯。肩こりから頭痛からたいがいの不調は直ってしまいそうだ。露天風呂だけあって野趣も十分。わざわざ道を折れて登ってきたかいがあった。

休憩所でこんにゃく玉など食いながら、ぼんやりする。
実はこの半年ほど、原因不明の頭痛に悩まされていたのだが、不思議なことに痛みが引いている。温泉の効能だろうか。単に温まって血行がよくなっただけなのか、それとも長時間バイクの振動を受けてなにか影響があったのか、よくはわからないが、やはり温泉のおかげとしておこう。

なんだかこれだけで、今回旅に出たかいがあった気分。嬉しい。

 

温泉を後にして少し下り、温泉街の観光案内所へ行く。ハイキングコースを紹介してもらうのだ。ところが聞いてみると、上の方はまだスキーをやっている由。この季節にハイキングなんてお客さん・・・という白い目で見られてしまいますた。ごめんなさい。新調した靴が泣いている。

しかたがない、早めにキャンプ場へいくかと思い直して電話してみる。するとなんと、今年は閉鎖してますと。なぜ?
「クマが出るようになったので」という電話の向こうのお返事。クマー?!
世も末じゃのう。

さて困った。この辺りにほかに有望なキャンプ場はない。雪が残っていたり公営だったりで、この季節はまだ開いていないのだ。こっそり入り込んで設営し、日の出とともに去るという手も無いではないが・・・。しばらく考えて、今日は仙台でビジネスホテルに泊まることにする。クマと対決するよりましだろう。

ということで、一路仙台へ。

 

仙台の駅前は、なんとも不思議な光景だ。西口が一応繁華街のようなのだが、駅前にでんと構えているのはLOFTとか無印とかレコード屋などが入った生活雑貨のビル。それ以外はあまりない。そして東口は・・学習塾街とでも言えばいいのだろうか。代ゼミ、河合塾などの校舎がやけに目立つ。そのほかにも○○進学校とか□△塾とか。

一体、大人の消費はどこへいったのだろう。あるいは大人のビジネスは。
もしかすると旧市街地がどこかにあるのかもしれないが、地図を見てもよくわからない。街区と道路の形、役所の配置から、宅地開発地とか旧市街とか、なんとなくわかるのだが、どうも繁華街やビジネス街の臭いがしない。変な印象。

宿をとって、シャワーを浴びて髭を剃ってさっぱりしたので、タン焼きを食いに行く。繁華街が見つからないので、駅のレストランで。これはまあ普通。タン焼きで特別に旨いというのはあんまり想像できないから、それも当然か。

宿に戻って適当に新聞など読みながら大河ドラマを見る。今年のは案外見始めると癖になる。

ここまでで顔がかなり日焼けして火照っている。空調で冷やしながら早々に寝る。

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