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2007.03.17

「デジャブ」

たぶん、アメリカ人へのメッセージが深く埋め込まれた映画。日本人である私は、それを観察することはできるが、実感にはほど遠い。以下ネタバレ。

 

デジャブと言うから、てっきり、現在に居るままで過去に干渉するのかと思ったが、結局生身の人間を過去に送り込むことになる。それではデジャブとは言えない。唯一タイトルに忠実なところは、過去を見るヘッドセットをつけて、現在の世界で車を走らせるシーンか。それまでに、このヘッドセットを含む装置の制約条件を理解できていれば、なんとかついていけないでもないが、それにしても少々話しが苦しい。

そういうわけで、前宣伝ではデジャブのことが強調されているけど、実はデジャブではない。単なるタイムトラベルあるいはパラレルワールドもの。そして、それは映画の味付けというか小道具に過ぎない。

 

この映画は、エンタテイメント仕立てにしているが、アメリカ人に対して、自分たちの国の現状はこれでいいのだろうかと問いかけているように見える。ハリケーンが直撃したニューオーリンズの荒廃したままの様子や、愛国者の狂信的な信念を語らせるシーンなど、エンタテイメントと受け止めるには踏み込み過ぎている。

自称愛国者の独特の理屈、その信念の固さと残虐さ、犠牲になる米軍兵士と普通の市民、黒人、省みられない難民、そういう米国の矛盾が、映画のお話しの流れの中に象徴的にはめ込まれて、作り手が何を伝えたいか、いやでもわかる作りになっている。
「デジャブ」というタイトルも、合衆国の長くはない歴史を振り返って、以前もこんなことが無かっただろうか、という問いかけと思うのは穿ち過ぎだろうか。

人によって観方は様々だろうし、タイムトラベルもの特有の伏線や各シーンのつながりを追う楽しみ方でも、もちろん構わないのだけど、私はもう少し、この映画をシリアスに観た。


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