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2007.03.03

「パリ、ジュテーム」

一度、ほとんど通り過ぎただけのパリで、印象に残っていることといえば、サクレクールに登ったときの内部階段の壁がススで真っ黒だったことくらい。そんな私が、恐れ多くもパリについて語ろうというのは無理があるわけだが、放っといてもらおうか。以下ネタバレ。

 

オフィシャルサイトによると、「パリの20区を舞台に繰り広げられる、18話のストーリー」なのだそうな。東京でいうと例えば「葛飾区」のお話しや「足立区」のお話しとか。他意はないけど。

18話の中には、パリならではのものもあれば、特段、場所を特定する必要を感じないものもあって、そのこと自体が、パリという街の大都市としての普遍性と独自性の同居を感じさせる。

私の心境に最も近いものはというと、14区に出てくる、典型的な貧乏アメリカ人。ウォルマートで買ったに違いない安物のシャツとジーンズを着た太っちょ独身女の一人旅だ。
観光案内を片手に一人でのそのそと観光地を歩き回る彼女だが、とある美しい公園でベンチに腰掛けてサンドイッチを頬張っているうちに、「あること」が起こる。それは外界にではなくて彼女の内面に起きる。この辺りが、この映画の一番のテーマなのだろう。かなりおセンチではあるが。

その意図で他のお話しを改めて思い出すと、なるほどパリというのはそういう街なのかなあ、と思えてくる。少なくとも東京ではこの味は出ない気がする。

 

私のお気に入りは、「エッフェル塔」のパントマイムのお話し。パントマイム自体が面白いのに加えて、車を走らせるシーンなど、映画とパントマイムを掛け合わせた可笑し味がある。なによりいいのは笑顔の取り戻し方。小難しい理屈やうっとおしい熱血よりも、よほど人の共感を呼べる。

それから、17区のお話しの意表を突くオチも楽しい。

他のエピソードも、それぞれにほのかな味わいがあって、案外退屈せずに見られる1本。

そうそう、この映画は、英語に対するフランス語の立場というか、関わり方も気になる。尊大で英語を見下しているフランス、という固定観念で計れない、立場の変化があるのかもしれない。

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