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2007.01.28

給食費未納は事後チェック型で解決したい

「給食費未納が示すモラル崩壊」 日経本紙

親のモラル崩壊をまざまざと見せつける事態である。学校給食費の未納額が2005年度に全国の小中学校で約22億円に上り、こどもの数では百人に一人にあたる約九万九千人もいるとの調査結果が出た。調査は、未納が深刻化しているとの声を受けて文部科学省が初めて実施した。
この話し、数日前にこちらで、
1%のことを大手紙社説で扱う必要なし。個別に対応すればよろし。
と言われて、ああそうだなと思っていた。
日経までが社説で取り上げてしまった今日は、もう少し書いていてくれて、こちら
親なんて子供に死に様を見せればいいのよ。
禿同。
久しぶりに、短くわかりやすく本質的な一言をいただいたので、少し寄り道してみました(笑)。

 

それはさておき、給食費のお話しに戻る。
私は、この話しには、この社会が向かうべき方向についての、微妙な軌道修正が潜んでいると思うので、それを書き留めておきたい。

事前規制型から事後チェック型の社会にしようということは、概ねコンセンサスができているものと思う。そのために司法も行政も変化の最中にあるはずだ。民間は一足先にその波に洗われている。

給食費未払いを、この軸で眺めれば、モラルに頼った解決は事前規制型ということになるだろう。事後チェック型の対応をとるなら、ほかに方法があるはずだ。

例えば、卒業時に清算して未払い分は延滞料を含めて請求。それでも払わないときは、単位の一部を認めない、つまり卒業できない、とでもいうことにすればいいのではないか。家計がそれほど切迫していないのに、こどもの給食費の優先順位を下げて服や娯楽に金を使ってきた家庭は、そのとき初めて自覚するだろう。こどもの給食費の優先順位は本当に、自分達にとってそれほどに低いものだったろうか、と。

もちろん、どうしても払えない苦しい家計に対しては、奨学金的な給食費の補給があってよい。それはまた別の問題だ。

この話しは、そんな風に捉えてみてもよいのではないか。

 

社会全体で事後チェック型に向かおうとしている中で、事前規制型のモラルを持ち出すのは、かなりの軌道修正だと思う。事後チェック型にしようと一度は思い込んだものの、その手続きの煩雑さや、逐一の問題を自分の頭で考えなければならない負荷に早くも音を上げて、昔ながらの「モラル」という惰性に自分を委ねてしまいたくなっていないだろうか。

そういう傾向に対して、メディアの中ではかなり抵抗力があるはずの日経までが、上滑り気味の浅薄なモラルを持ち出すなんて、何か悪いウイルスでも蔓延してるのかな(笑)。

 

蛇足になるけど、私はモラルというものを、人間の重要な要素だと思っている。
しかし、それを取り上げるのは、モラルというものの本質に迫ることができるような問題のときにしたい。給食費未払いなどという問題は単に、支払う側に対して、「こどもの食事はあなたにとって本当にその程度の軽いものですか?」と実効性ある問いかけを発するだけで済むことだ。口先だけの問いかけでなく。

蛇足のあとは蛇尾。上の日経の記事引用の最後の一文はあやしい。「声を受けて初めて調査してみたらこんな感じ」ということだから、過去に比べて増えているのか減っているのか、原因に変化はあるのか、わかりようがない。おまけに、誰の声を受けての調査なのかも伝えられていない。
と、少年探偵団的にはそういう揚げ足取りもできる。

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