« 雑記061216 | Main | 「王の男」 »

2006.12.16

「エラゴン」

「真の名前の持つ力」はゲド戦記、「ドラゴンとその乗り手の共感」はパーンの竜騎士、ということであちこち借り物で構成。筋書きはこの種の典型で、しかも展開が速いのでじっくり味わうようには出来ていない。ということで、その辺りには見るべきものはない。

やはり、優雅なドラゴンの飛翔をSFXでたっぷり見るのがこの映画の醍醐味だろうか。その点はとてもよく出来ている。
もうひとつ、ドラゴンとライダーの会話を映像で見るのも、これまでのドラゴンのイメージと異なっていて新鮮。ドラゴンをこれほど人間的に描いたのは、初めてなのではないかと思う。


映画としての評価はそれとして、最近の映画を見ていて気付く変化がここにも見られて、そちらの方に私は興味を惹かれた。それは、今風の若者の振る舞いをはっきりわかる形で取り込んでいることだ。例えば、アーリアを見送るシーンなどは、まるで安っぽいナンパでも見ているよう。

それが嫌かというと、私はそうでもない。

この感じは「武士の一分」や「硫黄島からの手紙」の主役の台詞においても見られたもので、このところ立て続けに出合っている。完成されたストーリーや予定調和的な感受性を揶揄するようなこの傾向は、次の世代に映画というメディアを引き継いでもらうための試みだと思って評価したい。

この映画(と、同様の2本)の本当の価値は、よくできているがどこかで聞いたようなお話を繰り返すことではなくて、若い世代の感覚を映画というメディアに取り入れるための試行錯誤を行っていることだと思う。
いつまでも昭和の感覚を墨守していいわけでもないだろう。

少々穿った観方とは思うけれど、私はその点に興味を持ち続けたいと思う。


俳優の力量は少々物足りないが、この映画の一方の主役はドラゴンなのだから、人間の方はまあこれくらいでもよしとしよう。最後の「つづく」のシーンに出てきたガルバトリクスの竜は、恐くて強そうで、続編に期待大。

|

« 雑記061216 | Main | 「王の男」 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/7081/13093882

Listed below are links to weblogs that reference 「エラゴン」:

« 雑記061216 | Main | 「王の男」 »