紅葉とオルゴール2
昨日と打って変わって、今日は街へ。
山中湖畔のファミレスで朝食。そんなbreakfastは久しぶりだ。
地元の人が多いのだろうか。客は寛いだ恰好が多い。中年のウエイトレスが私の隣のテーブルの4人連れに、店長と思しき若者を連れて挨拶に来た。ファミレスの店長が特定の客に挨拶に来る。地元人と思われるおばさんに連れられて。なにか、田舎というものが深く息づいているのを見た気がする。(悪い意味で言っているのではありません)。
考えてみるに、全国展開している商売というものは、大なり小なり似たような構図を抱えているに違いない。管理職として本社から送り込まれる若者は、地元の年配従業員とその後ろに控える地縁血縁をうまくあしらえるかどうかで評価が分かれてしまうのだろう。それで果たして企業としての力が向上するのかどうかは、よくわからない。
私は合理的にものごとを処理する傾向が強いけれど、どのようなスタンスで合理主義を捉えるかによって、こうしたケースへの対処は180度違う。
地方支店の売上げ増を考えるなら、地元の論理に合わせて利益を最大化するのが「合理的な」方法だろうし、合理主義(近代都市の論理?)を広めたいのなら、地元の論理とは対立することが多くなるだろう。
後者は一見威勢がいいのだけど、うまくいきそうな感じはしない。都市の論理を広めたいなら、取るべき方法は別にある。それは一言でいえば、領土拡張だ。
田舎の中に少数で飛び込んで都市の考え方を振り回しても消耗するだけで得るものは少ない。むしろ、都市の論理に傾く地域を徐々に増やして、そうでない地域の版図を侵食していくのが、方法としては優れている。
参院の定数是正が重要なのは、そういう理由でなのだ。
話しが脱線したところで、コーヒーも飲み終わったことだし、河口湖へ行ってみる。河口湖大橋の東側が観光地化していて、○○美術館や□□の森などがひしめいているが、そのうちのひとつ、オルゴールの森というのに入ってみる。
「なんとかの森」には何度かがっかりした経験があるけど、この「オルゴールの森」は私には結構つぼにきた。ちょうどスイスフェア期間中とかで、受付嬢の頭上にチロリアンハットが載っていたり、スイス人風3人組のアルプホルン演奏があったり。が、それはそれ、やはりここはオルゴールだ。
オルゴールという言葉は実は和製蘭語で、英語ではこれを music box というらしい。身もフタもないが、このオルゴールこそは、いまをときめくiPodに連なる「自動演奏楽器」の先祖なのである。力むほどのことか。
館内には、円盤式、ドラム式それぞれの年代もののオルゴールがずらりと並んでいる。ドラム式の精巧なものは、ひとつのドラムで8曲もの音楽を演奏することができるとのこと。回転するドラムに植えられた棘が、固定式の櫛歯の金属板をはじくことで音を出すのがよく知られた動作原理だが、手が込んだものでは、ドラムが軸方向に微妙に移動することで、別の曲のプログラムに櫛歯がヒットするようになっている。これに合わせて櫛歯の先端は1ミリ程度と極めて細くなっており、1本の歯の1/8の幅で、別の曲の棘が当たるようになっているのだ。
すごい。高密度充填ここに極まれリ。垂直磁気記録!とか青色レーザー!とか言ってる我々の時代と引けをとらない凝り様。これこそ人間の証しというべきものだ。
それを解説してくれるお姉さんのまた誇らしげなこと(笑)。館員の鑑ですな。
と、当時のハイテクに興奮させてくれるだけでなく、お土産屋さんも充実。こちらは、買って帰れる様々なオルゴールが並べてあって、ファンシィィーな空気。私が足を止めたのは、5オクターブくらいの音が出て、なんとドラムと鐘も一緒に組み込まれているという優れもの。綿棒のようなバチが5本ほどならんで配置されていて、タッタラタタタンとドラムを打ち鳴らすのだ。櫛歯が奏でる音色も美しく申し分ない。すごい。ほしい。230万円也。
さて、オルゴールの世界を堪能したあとは、適当に湖と紅葉を愛でて、帰途に着く。山中湖畔の紅葉のライトアップがなかなかよかった。
ということで、最近になくのんびり充実した週末になった。

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