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2006.09.09

みんな貧乏が悪いんや:構造計算書偽装編

計算能力がなかったので改ざんした――姉歯被告初公判、起訴事実を大筋で認める

社会資本整備審議会建築分科会基本制度部会の最終報告も出たことだし、一応メモ。

この件は姉歯元建築士個人の問題として扱うことでなんとなしの合意が出来ているようだ。そうしなければ社会不安が膨らみすぎて収拾がつかないという事情はわかる。

ひと月遅れで出た審議会の報告書を見ると、それなりの仕事にはなっているようだ。あとは業界団体の既得権保護に傾きすぎず、資格要件をより厳しくしていく仕事が残っている。

それにしても、工事品質の事後チェックの話しはとうとう出ず、検査体制や入札ボンド制など事前チェックの話ばかりだった印象が、私には残る。建築物の事後チェックというのは難しい技術なのだろうか。地震動の解析とか地中の遺跡探索に比べてそれほど難しいとも思えないのだけど。
と、素人ならではの不満をひとくさり(笑)。


上の記事の中ではこの部分。

 検察側は、姉歯被告の供述などを基に、「できるだけたくさんの金を稼ぐこと」が偽造の目的だったと説明。ゼファー月島では、中高層マンションの構造計算の経験が初めてで保有水平耐力の計算能力がなかったが、継続して仕事を受注するために改ざんに手を染めたとした。その後、「経済設計ができる建築士との評判を裏切らない」ために改ざんの手法をエスカレート。その結果、姉歯被告の事務所の1999年から2005年の総売り上げが年間約2100万円に上ったことなどとした。
儲かるようになったというが事務所の年間売上げがたったの2100万円。これを「2100万円に上った」などと言う検察のセンスを疑う。

普通、この種の建築士は個人事務所、つまり自営業なのであって、検察官のような親方日の丸給与生活者ではない。2100万円が給与所得だというなら確かにそこそこの収入だろう。でもこれは「総売上げ」なのだ。事務所の維持費、営業経費、人件費、外注費、税金、諸々引いたらいくら残る? もちろん、事務所は自宅兼用で節約してはいるだろうけど。

審議会の答申には報酬規定の見直しも盛り込まれているから、こうした犯罪に走るきっかけは間違いなく減るだろう。それを良しとしたい。

また、事実上の業務独占が可能な特定構造建築士創設で、構造設計能力のない者の排除も制度として行うようになるようだから、多少まともになると期待も持てる。


これを機に、建築士をエンジニアとして定義し直し、その権威にふさわしい仕事を求め、相応の報酬を得られるようにしていくことが、事件の再発を防ぐためにはよい方法だ。


余談だけど、「建築家」という一群の人々は、それとは無関係に生きていけばよろし。
まあ、毎度の議論なんだけど(笑)。

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