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2006.08.31

また一歩、野望に近づくGoogle

Google、企業向けパッケージをリリース

 このパッケージにはWebメールサービス「Gmail」、インスタントメッセージング(IM)サービス「Google Talk」、オンライン予定表「Google Calendar」、Webページ作成サービス「Google Page Creator」が含まれる。これらサービスはすべてGoogleのサーバ上でホスティングされ、企業はGmailなどで自社のドメインを使うことができる。
これで接続サービスまでやれば本当にISPそのものなのだけど、当面利益を出しにくいとされる接続は他のISPに任せて、データの移行が面倒で顧客の乗り換えが置きにくいサービスだけはがっちり押さえると。これを free ride という言い方もあるらしいけど(笑)。

接続では儲からず独自ドメインなどでどうにか利益を上げてきたプロバイダに、Googleのこうしたサービスは引導を渡すことになるかもしれない。


ところで、いまさらの話しだけど、垂直統合と水平統合のモデル間競争という点で、このケースはわかりやすい例だと思う。

国内のサービスプロバイダは垂直統合モデルになっている、あるいはそれを目指す傾向があるらしい。垂直統合モデルのほうが優れているとする見方が根強くあるからだろうか。

しかし一方で、垂直統合モデルは「儲からないレイヤを一緒に抱え込むモデルである」と言うこともできて、儲かる分野においては、専業企業との競争で不利は免れない。上の例で言えば、接続のような儲からなくなったレイヤも一緒に抱え込むということになる。

この不利を補うには、「サービスをパッケージで提供するので手間いらずで簡単」、あるいは「自社内でインターフェース部分を処理するので取引コスト等が省略できて割安」というくらいしか手がない。その考えにも一理はあった。レイヤ間の接続インターフェースが公的規制や私的クラブの取り決めによって決められており、複雑でコスト高なものになっているような場合は、確かにパッケージ提供は有利だった。

しかし、インターネットのレイヤ間接続ルールは概ね公開されていて、技術力があれば参入の敷居はそれほど高くはない。そういう世界では、垂直統合モデルの優位は薄れていくだろう。それを受け入れられない企業が「ただ乗り」論を展開しているのが現状と見ることもできる。

いまのところGoogleは、すでに公開されているインターフェース仕様を最大限活用して、また、時には自社の仕様を公開しながら、既存の垂直統合モデルの破壊を推し進めていくように見える。Googleの野望(笑)がどの辺にあるのかは知らないけど、結果的には主要な垂直統合サービスを解体することになるのだろう。
その後の世界で、Googleがどんなサービス分類を思い描いているのかは、まだよく見えない。マイクロソフトのようにすべてを自社のサービス内に吸収してインフラ企業になるのもありかもしれないし、そうはしないかもしれない。

googleのシェア拡大ペースが鈍ったなどのニュースもあるようだけど、googleが世界に与えるインパクトの本質は、それとは少し異なるところにあるように思う。

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