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2006.08.12

紀州行060812

5:30起床。朝飯のサンドイッチを頬張りながら鳥羽湾の眺めを楽しむ。
テントを畳んで出発。朝市のようなものをやっているので見てみる。こうしたものは、地元民が相手なのか、観光客が相手なのかで趣が異なる。ここの市は中身は地元民が相手のようなのだが、観光パンフにも案内を載せたりしていて意味づけが中途半端。例えば新島の朝市では、観光客にも見せられるお祭りというコンセプトを地元民がよく理解して合意ができていたように思うのだが、そうしたものを参考にすればもう少しなんとかなるかも。

水族館の開館とともに入場。やや古い水族館だからたいしたことはないかと思ったが大間違い。確かに、最近の水族館に多い周遊型の展示ルートや凝った演出は無いのだが、珍しい生き物も多く居たりして大興奮間違いなしの展示内容。
私が面白いと思ったのは・・

まずはフィロソーマ。これは伊勢海老の子供なのだが、体調は1センチほどで透明、驚くことに紙のように薄い。横から見るとほとんど見えなくなるくらい。光の当たり具合によっては、この水槽は空かとおもうほどだが、反対側から見ると突然たくさんのフィロソーマが目に入って驚く。TVなどでは正面からの映像しか見たことが無いから、まさか厚みがほとんどないとは思わなかった。こんな透明で薄っぺらい寒天のようなやつが、何年もかかってあの硬い殻を持った伊勢海老になるんだなあ。

それから多足蛸。足の数が85本というグロテスクなやつの標本が展示されていた。再生異常でこうなったのではないかと言われているそうな。癌ていうことかな? 

スナメリは愛嬌があってひとなつこい。世界最小の鯨なんだそうな。顔に表情があるように見えるうえに、水槽のこちら側の個々の人間を識別しているようだ。近づくと寄ってきて、水槽のガラスに額を押し付けたりする。全身が真っ白で顔も可愛らしい。よく人魚にたとえられるのはジュゴンだが、スナメリの方がその役にはふさわしいように思う。

ここまでは伊勢湾に棲息する生き物達。ここの水族館にはそれだけでなく世界各地の生き物がいる。

ジャングルワールドでは南米産のピラルクが見もの。でかい。こわい。体長2mはあるだろうか。TVで見たことはあるけど、この大きさは実物を見なければなかなか実感できないだろう。中に背中の曲がっているやつなどもいる。せむしのピラルクだろうか。
アフリカマナティは世界中でここでしか飼育していないそうだ。これもまたでかい。
ジュゴンは飼育期間の世界記録を持っているそうだ。フィリピンの大統領から寄贈されたメスのジュゴンもいて、大切に育てられているとのこと。

極地の海ゾーンでは、イロワケイルカが楽しい。パンダイルカの愛称からわかるように、黒い頭部と真っ白な胴体、再び黒い尾と、くっきり色分けされていてカッコイイ。最近生まれた赤ん坊もおり、親といっしょに泳ぎの練習をしている。よく観察していると、赤ん坊の方が大人よりも水の抵抗が小さいのだろうか、楽に泳いでいるように見えるのが不思議。大人のパンダイルカが力強いドルフィンキックでスピードを出すのに、赤ちゃんイルカはほんの少し尾を振るだけですーっと苦も無く親の横を泳いでいる。狭い水槽だから親のフルパワーが見えないだけなのかもしれないが。
このパンダイルカの赤ちゃん、よくみると顔が陸上のバクにそっくり。

パイカルあざらしは淡水のパイカル湖だけに棲むずんぐりしたあざらし。えさにはアジを与えているとのこと。ん?アジって海水魚だよね。水族館の生き物はグルメなのかな。自然に生きていたら決して口にできないようなご馳走を毎日食べているなんて(笑)。

ほかにも水族館にはおなじみの、イルカやアシカのショーや、日本の川、森の水辺、水の回廊、特別展示の各種シードラゴンなど盛りだくさん。見終わるとお腹いっぱい感がある。


水族館を出て次はミキモト真珠島を見学。養殖真珠の生産工程から、宝飾品としての加工の工程まで勉強できる。
真珠というのは一言で言えばアコヤ貝の貝殻裏側を表に出したものだ。この貝殻を生成する機能を持った生体組織片を真球に削り出した核に付着させて丸い真珠を作り出そうというわけだ。天然真珠との主な違いは、核をあらかじめ球状につくっておくことと、それを手術で埋め込む場所を生体の活動が活発な卵巣にすることだろうか。

施術したアコヤ貝は生簀で大切に育てられる。この間、海水の状況によって死んでしまう貝も多数でるそうだ。最近では、貝の口の開き具合を知るためのセンサーを取り付けて、それを見ながら、貝にとってよい環境を保つように生簀を機動的に移動したりするらしい。

何年か後に引き上げられて真珠を取り出し、貝柱は食用にする。そのとき宝飾品として使える真珠は全体の5%ほどというから、簡単なことではないようだ。使えないものはカルシウム剤の原料になったりするらしい。


取り出した真珠は、今度は宝飾品として完成させる工程にのせられる。知らなかったのだが、真珠のネックレスは真ん中が両端より粒の大きめのものが使われるそうな。粒の並べ方は何度も入れ替えながら完成に近づけるらしい。
真球ではない真珠はそれぞれの形にふさわしい宝飾品として活かされる。涙型などはたとえばブローチの縁飾りになったりとか。半球型のは台座に埋め込むようにして使うとか、全然知らなかったよ。

ここ伊勢志摩の真珠はアコヤ貝の内側と同じピンク~白色だけど、世界にはほかに黒いのとか青いのとかもあるらしい。そういえば映画パイレーツ・オブ・カリビアンに出てくる船の名はブラックパール号だったな。

ほかに、模造真珠と本物との違いの簡単な見分け方なども体験できた。全然違うことが簡単にわかるんだね。

真珠島を見終わって次は鳥羽湾めぐりとイルカ島見学。3隻ある周遊船のうち竜宮城という名前の船に乗る。船内は浦島太郎が竜宮に出掛けてからのお話しを題材にした装飾で飾られている。船首には金ピカに塗った凛々しい浦島が亀に乗った像があり、船内は竜宮城のような内装、上甲板には物語の結末として、白髪になった浦島の泣き叫ぶ実物大の像と無表情に遠くを見つめる乙姫様の巨像を対置させるというなんだかなあな趣向。せっかく亀を助けてやったのに・・。人間欲をかくとろくなことはないという戒めか(笑)。

イルカ島の展望台は以前立ち寄ったことがある。そのときは台風が来ていて、4層あるうちの3階まで上るのが精一杯だった。体ごと吹き飛ばされる恐怖を感じたのはそのときが初めてだ。なにしろ風上に顔を向けると息ができないのだから。
今回はおだやかな日和でなんということもなく鳥羽湾の全景が見渡せた。

そろそろ正午もまわって、鳥羽を離れる。次の宿に向かう途中、海の博物館に寄る。ここも以前来た記憶が微かにある。建物は建築学会賞を取ったものだ。当時としては斬新な集成材の使い方だったと思う。いまでは特に珍しいこともなくなった。

展示は漁民の生活を中心に漁具の展示が豊富。板材を外骨格のように使う和船の作り方と、竜骨を軸に肋骨のように組んだ内骨格ともいうべき構造の西洋式の船との違い、その構造形式からくる和船の大きさの限界などを知る。そういえば生物でも、内骨格は外骨格よりも発達した形式とされているのだった。

収蔵庫には、使われなくなった和船がずらりと並べられている。3つの庫のうち公開されている1つに足を踏み入れると、木材の朽ちた匂いがする。まさに船の墓場。

陽もだんだん傾いてきて、伊雑ノ浦の水辺にあるエバーグレイズACへ向かう。このキャンプ場の名前は、フロリダの湿地帯にある同名のリゾートの名前をとったのだそうだ。設備も整っておりアメリカンな雰囲気。プールまである。

水に近いところに設営し晩飯へ。天保元年創業という鰻屋へいってみる。まあ値段なりの普通の味。わさびをといたタレをかけて食べるのがこの店の味らしい。タレが濃いのでわさびがはいっているのかどうかさっぱりわからん(笑)。昔はこのあたりでも鰻が普通にとれたのだろうな。

キャンプ場に戻ると中央ホールはアメリカ風にビンゴゲームとかで盛り上がっている。外に出ると水面に少しもやがかかっている。ここの水辺は一応海のはずだが、水位は恐ろしいほど陸に近い。満潮なのだろうか。これでちょっとでも波があれば、キャンプ場は水浸しだが、奥まった浦だからそんな心配は無用なのか。

陽はとっぷり暮れて、コインランドリーを廻しながら売店のテーブルで道すがら買ったグイン・サーガの最新刊をぱらぱら読む。おお!そういうノリですか豹頭王。旅の疲れを癒すには丁度いい軽さ。

今日も空はうす曇りで、星は見えない。

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