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2006.08.11

紀州行060811

今年の夏は紀伊半島を廻ってみることにした。
もともと5月の連休で行くつもりだったのが、天候不順でなんとなく流れたのだった。今度も行くつもりが、東京~大阪のフェリーなんてものは無いのだと分かって気分が盛り下がっていたところ、なんと、渥美半島の先端から鳥羽へフェリーが出ていると分かったので、俄然やる気が盛り上がったのだった。我ながらいいかげんというか(笑)。

とはいったものの、そう決めたのが休暇の2日前。旅の準備などはいつものキャンプツーリングだからどうにでもなるのだが、どんなところに寄るのか全く未定。縮尺50万分の1というとんでもなく荒っぽい地図しか掲載してない「全国キャンプ場ガイド」なるものだけ買い求めて、いざ出発。大丈夫なのか?>自分

まあ、国内だし、なんてこともないだろ(笑)。

6:40出立。東名を西へ。高速はバイクにとっては退屈そのもの。居眠りしないように注意が必要だ。実際、途中で猛烈に眠くなり、SAに寄ってカフェイン入りの栄養剤もどきを飲みどうにか事なきを得る。以前、北海道で居眠りしながら蛇行運転していて、あやうく死にかけたことがあるが、東名のような混雑した道路で再現したら確実にあの世行きだ。
それにしても、普段いかにコーヒー漬けになっているか、たまの旅行に出るとよくわかる。朝の1~2杯から始まって1日10杯は飲んでるのが、突然切れるのだから、危ないわけだ。

途中のSAで面白いところといえば浜名湖か。ここで降りて浜名湖見物も魅力だが、今回はパス。売店の青島みかん酢がうまい。果実酢はコンビニで見かけるようになったけど、流行はじめなんだろか。ほかにシアトルズベストとかリトルマーメイドとかSAらしからぬ店も入ってる。その一方で、うなぎを使った「うなドッグ」とかいう面妖な食い物を売ってるのも観光地らしい(笑)。

目的の豊川ICで降りて豊橋市街へ。使い捨てカメラを買う。たまの旅行に使うなら故障や落とすリスクを考えるとこれが一番いい。出来上がりはCDに焼けるし。
それにつけても豊橋のカメラ屋の、来客は迷惑と言わんばかりの態度は何なのか。高校野球を見るか店を見るかどっちかに集中しる。

渥美半島に入ってひたすら西へ。このあたりはメロン栽培が盛んなのだろうか。大型のビニールハウスが多い。空調、散水などの設備を備え立派な骨組みを持ち、中には越屋根まで付いているハウス群を見ると、農業の風景もずいぶん変わってきているなと思う。
そういえば今日の日経に、日本の食料自給率は相変わらず4割台てなことが書いてあったが、当然か。毎年豊作貧乏の危険がある基礎的な食料品を作るよりは、高額な商品作物を少量確実に栽培する方が経営も安定、利益率も高いのだろうから。そうした農家を単純には責められないだろう。食料自給率を上げたいのならば、基礎的な食料を地道につくる生産者が安定してやっていける仕組みが必要か。
他産業とのバランスをどうするかはまた別の難問だけど。

半島の先端に到着。伊勢湾フェリーに乗る。乗ってから、料金の1割ほどの金額で1層上にある特等席に入れるというので買ってみる。振動と騒音が段違いに小さい。納得感のある値付け。

船内で、鳥羽水族館、真珠島、遊覧船の割引セット券を売っているので買う。これで明日の行動予定は決まった。

1時間ほどで鳥羽港に到着。まずは「かんぽの宿鳥羽AC」へ直行して設営。荷を降ろして身軽になったバイクを伊勢に向けて走らせる。まずはお参りしないとね。

時間がないので、内宮だけにする。以前に一度来たときは確か手前側の敷地を使っていたが、遷宮があっていまは奥側の敷地に社が建っている。あいかわらず宇宙的な造形の唯一神明造。千木にしろ鰹木にしろ、もとは屋根押さえの機能があったのだろうと勝手に推測するのだが、デザインとしてうまく昇華している。一般人からは屋根の一部しか見えないのが残念。

この内宮(皇大神宮)は、後で寄る熊野の社と比べても、ゆるやかに蛇行する森の中の道の奥にひっそりとあり、まったく権威的ではない。西洋のこうした建築が直線的な道の焦点に立って威容を際立たせているのとは実に対照的。
ふと思うのだが、これは天皇家のプライベートな社という感覚なんだろうか。社の起こりは疫病沈静祈願の名目で政教分離のために天照大御神を皇居の外に移したことから始まるとも聞くから、あるいはとも思う。もっともそんなことを聞いたら頭から湯気を立てて怒りそうな人が大勢いそうだから、あまり詮索はしないけど。

お参りのあとはおはらい町を歩く。赤福を食べる。つきたての餅が美味。裏手に五十鈴川が流れ縁台は涼しげ。おかげ横丁というものが出来て賑わっているが、日光江戸村だと言われたら信じそう(笑)。まあ、テーマパークだから。
なかで、益屋茶坊という店がなかなかいい。通り側は焼き物の店で川側に茶坊があるのだが、川へ降りる石段と渡り廊下、それに付いた中庭や軒の高さなどの構成とスケール感がたいへんよい。

陽も暮れてきたので鳥羽へ戻る。晩飯だが、今回はなるべく刺身を食うことに決めている。小さな鳥羽の町街地に食事処がいくつかあるというので行ってみる。通りには一定間隔で太い竹筒が立っていて、所々抉った柱のようになっている。その抉った穴に、地元の人だろうか、蝋燭の灯を燈している。何だろう。
飯屋の1軒に適当に入って刺身定食を頼む。ついでに表の蝋燭のことを聞いてみると、付近の住人で夏の間やっていることらしい。特にいわく因縁のあるものではないようだ。
刺身のほうは、もちもちした食感で値段の割りにまあ悪くない。少々水っぽさはあったがまあこんなものか。

満腹して外へ出ると、辺りはすっかり暗くなっており、竹筒の灯りが幻想的。なかなか面白い試みかも。

空は雲がでていて星は見えない。

明日は朝いちで水族館だ。

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