« コンテンツ産業変化の兆しはやっぱり国外から | Main | 幸せのポートレート »

2006.07.23

「ワーキングプア」

NHKスペシャルで。

今日は少々暗く過激なことを書いてみる。

番組のまとめ方としては、最後にやや問題があるように思った。「個人の責任ではなく社会の責任」というまとめは、保障などのマスな対症療法に向かいがちだ。競争社会の弊害などと漠然と言ってみても、一過性の自己満足で終わる危険がある。むしろ原因を断つことの方が私には効果的に思える。そうしないと、底が抜けたバケツのように、保障で払ったお金は本当に援けたい人のところを素通りして、別の財布に流れていって際限なく無駄になる。

番組が取り上げた事例を見てみる。

農業で食べていけない農家の収入は一家で500万円ある。それだけあってなぜ暮らせないか。「農機具のローン」。零細農家に払いきれるはずもないローンを組ませて毎月取り立てているのは誰か。中味は金融屋以外の何ものでもないのに「農」の顔をして世の中を欺いているのは誰か。街金と変わらないあくどさを農村で撒き散らしたのは誰か。

老いた妻の介護費がもう払えない職人。わずかな収入を食いつぶしている医療費は諸外国に比べて3~5割程度高いそうだ。医療費を高止まりさせている原因は何か は適正と言えるだろうか。無駄遣いが明るみに出るのを恐れてか、レセプトの処理をいつまでも紙と手作業に押しとどめておこうとしているのは誰か。中味は政治屋以外の何者でもないのに「医」の顔をして圧倒的に立場の弱い患者の財布から構造的に搾り取っているのは誰か。

いずれの問題も、NHKはとうに分かっているはずだが、軽く触れるだけで目を逸らす。なぜ深く掘り下げて見せないのだろう。素人のblog書きが日々のたつきに追われているのと違って、blogを見下しているジャーナリズムは、そうした問題を掘り下げるのが本分ではないのだろうか。ましてNHKは広告主に気兼ねする必要はないはずなのだけど。

これもひとつの構造問題?


[追記]
最初の文中に誤りがありましたので、お詫びして訂正します。
詳しくはコメントを参照ください。

|

« コンテンツ産業変化の兆しはやっぱり国外から | Main | 幸せのポートレート »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

Comments

>わずかな収入を食いつぶしている医療費は諸外国に比べて3~5割程度高いそうだ。医療費を高止まりさせている原因は何か。

 対GDP比でみれば日本の医療費はかなり安いんですが、「医療費は諸外国に比べて3~5割程度高いそうだ。」というのはどこからでてきたんでしょう。

http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/1890.html
>日本は30カ国中17位の7.9%である。一方平均寿命は世界一であり、米国とは逆に世界一効率的な医療が行われていると一般に見なされている。

 ついでに言っとくと、これ以上医療費を下げれば困るのは医療者ではなく医療を受ける国民の側だと思うのですが、一般の人は医者は儲けてるから、まだまだ搾り取ろうとしか考えてないようです。

Posted by: 医療関係者 | 2006.07.31 at 02:18 AM

ご指摘のとおりうろ覚えで不正確な記述でした。

確かジェネリック医薬品の利用率を他の先進国と同程度とすると・・という文脈で読んだ新聞記事だったと思うのですが、探し出せませんでした。
そもそも、その文脈であれば、外国との比較ではなく、現状との比較としなければならないところでした。

謹んでお詫びし、訂正します。


それにしても、紙のレセプトを電子化することがなかなか進まないのには、何か理由があるのでしょうか。
ITを使って事務作業を効率化し、同時に、ものや情報の流れを把握することで無駄をなくしていく努力は、普通に行われていることだ思うのですが。

不思議です。

Posted by: hski | 2006.08.02 at 09:50 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/7081/11074431

Listed below are links to weblogs that reference 「ワーキングプア」:

« コンテンツ産業変化の兆しはやっぱり国外から | Main | 幸せのポートレート »