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2006.05.03

GW記060503

5時起床。年寄りは朝が早い。単に前日10時に寝ているからだが。
フライシートを払って空を見上げる。雲ひとつない快晴。ビスケットとチーズとオレンジと水で朝食を済ませ、ママチャリ号発進。

今日はまず島北側の若郷の集落を目指す。新しく出来たトンネルは、自転車歩行者通行禁止なので、旧トンネルの方へ向かう。ところがこれが通行止め。以前の地震の影響だろうか。これでは若郷へ行くには車かバイクで新トンネルを通るしかない。

で、北行を諦めて、島中央部の宮塚山に上ることにする。

昨日と同様、こいだり押したりしながら上る。途中、カタツムリが車に轢かれたものを多数見かける。そういえば、竹芝桟橋の発着場にあった注意書きにアフリカマイマイのことが書いてあった。島しょ部でこれが大発生し、本土に持ち込まないように注意を促しているらしい。このカタツムリがそれだろうか。

などと気を紛らわせながら上ること40分。富士見峠展望台に着く。これが絶景。眼下に本村全体を見下ろし、遠くに伊豆諸島の島々が見える。今日は快晴なのではるか伊豆半島まで見える。

展望台から島側に目を転じると、もう少し上ったところに、電波塔が見える。あれが宮塚山頂だろう。次はそこを目指す。
途中、「メジロ密猟は犯罪です」という看板が。メジロを密猟する人なんているのか。というかメジロって貴重なのか。知らなかった。

電波塔に着く。NTTやNHKの中継塔のようだ。強風のふきさらし。砂が吹きだまった小高いところに上ると、これが大絶景。式根島、神津島、三宅島、御蔵島、利島、大島、全部見える。伊豆半島はもちろん、さきほどは雲で見えなかった富士山もばっちり。晴れてよかった。ここまで来たかいがあった。

それにしてもさすがに風が強い。海風だから海側の崖に転落する危険は小さいが、それでも中腰にならなければ危ない。地元の人が言うように、展望台までで折り返すのがお勧めかもしれない。

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帰りは楽な下り。スピードが出過ぎないように注意しつつゆっくり行く。すると変なものが目に付く。道の両脇は林だが沿道は竹やぶだ。その竹やぶに横にロープを通して作った柵が多数ある。人が入るのを防いでいるのかと思ったが、ところどころわざとらしい破れ目があったりする。よく見ると破れ目付近に標識が。「有害鳥獣駆除(外来種)」。東京都知事の許可で有害鳥獣を捕るらしい。何だろう。アフリカマイマイかな。

さらに下っていくと、もう少し親切な標識が。「3M以内に鹿罠が設置されています。注意してください。」よく見るとなるほど柵の破れ目の地面に罠が。あぶないあぶない。もうちょっと標識をよく読もうと踏み出していたらあぶないところだった。

足を突っ込むとワイヤーが絞られる仕掛けのようだ。さらに罠に付いているものものしいバネから考えると、絞ったワイヤを吊り上げるのかも。恐ろしいのう。

途中、森の中に入る道があって、ちょっと歩いてみたかったがやめた。中にも罠があったりして、インディジョーンズよろしくハングドマンにされてはかなわん。インディジョーンズならそれでも、吊られてから程なく原住民がわらわら出てきてくれる手筈だろうが、こんなところでは下手をすると2日くらい放置されかねん。

まあ、鹿の害はわかるから、仕方がないとは思う。

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麓に下りてくると、村の広場で観光朝市をやっている。山に登って降りてきてもまだ朝の8時半だったりするわけだ。早起きはよいのう。

8割方は地元の人だが、賑わっているようだ。魚の干物やクッキーなどを売っている。鉄板を薪で熱くして、干物をその場で焼いたりもしている。夕飯用に獲れたてのあおむろ一夜干しを2枚買う。

ベンチに座ってしばらく混雑を眺めていると、この村の人口構成比は悪くないと思った。老若男女がほどよくバランスしている。子供も多い。年寄りは年寄りらしく見える。都会ではシルバーなんとかという名で、年寄りの若作りを奨励するアクションが花盛りだが、やはり不自然な感じはする。慣れの問題なのかどうか。

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朝市の後は、ガラスアートミュージアムへ行く。展示と工房の両方を見る。この島の石は抗火石といって、8~9割りがガラスの原料なのだそうだ。石を溶かすと独特のオリーブグリーンのガラスになるという。世界でもシシリー島と新島だけにしかないものなのだそうだ。展示品のなかにちょっと気に入ったグラスがあったので、買う。水だけで湯は入れられないとのことだが、夏だけ使うのもまたよし。

ここのミュージアムとセンターは、よくある箱物行政とは少し違うようだ。地元出身のガラス工芸家を中心に、世界から著名なガラス工芸作家を招いたり、地元の小学校と高校のカリキュラムにガラス工芸を組み入れたりしているらしい。自分の小学校にもしそんな授業があったら、私はきっと万難を排してガラス工芸家になってたと思う。ここの子供たちがちょっと羨ましくなった。

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ガラス工芸を堪能した後は、もう一度露天風呂に入って、定食屋で遅い昼飯。ここのおやじに鹿罠のことを聞く。なんでも以前、向かいの無人島(地内島)に動物ランドのようなものを作ろうという計画があり、鹿、猿、兎を放ったそうな。しかし餌付けがうまくいかなかったのかどうか、鹿が海を渡って新島本島に上陸してしまったらしい。その後、宮塚山で繁殖し、農作物を食い荒らすようになったので、罠を仕掛けて捉えているとのこと。でも繁殖力に追いついていないそうだ。
人の都合で連れてこられた鹿も哀れというべきか。とは言わずに、次に来るときは新島名物鹿料理を食べさせてもらうことを約して定食屋を出る。

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昼飯から夕飯の間は、定食屋お勧めの羽伏浦展望台へ。ここからは羽伏浦の全景が見渡せる。長く白い砂浜を横から見る景色はなかなか。サーファーの様子も一望の下。展望台で観察中だった若者たちの話を聞くともなく聞いていると「ここうまいっすね」「やばいっす。レベルたかいっす」ということらしい。確かに鎌倉あたりで見かけるよりうまいような気がする。波も違うのだろうな。

展望台を降りて、羽伏浦港をぶらつく。港といっても、岸壁があるだけで建屋もない港だ。ここでちょっと危ない目に合う。

岸壁の突端へと歩いていくと、気のせいか沖の波の高さが目の位置より上にある。あれあれと思っているうちに、その波が、岸壁に斜めに接触してきた。波の頭が岸壁の上端を越えたかと思ったら次の瞬間、海水がどっと岸壁の上に押し寄せる。一人いた釣り人は脛のあたりまで水に浸かりながらあわてて後退。わたしはもう少し後ろに居て事なきを得た。
あれが波の合成具合でもうちょっと高ければ、「釣り人、高波にさらわれる」という見出しが出ることになるのだろう。海を舐めてはいけない。

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夕飯は炭を熾して朝市で買った干物を焼く。やや臭みがある。ここはくさやの産地らしいから、一夜干しでもくさやにしているのだろうか。他はパンと果物と水。
いつの間にかテントの数が増えている。全部で80張りくらいか。定食屋のおやじの話しでは、以前のキャンプ場が地震でつぶれた後、このキャンプ場が新しくできたとのこと。ガイドブックなどには最大30張りなどと書かれているがだいぶ古い情報のようだ。


この日はいいものをたくさん見た。満足して星を見ながら眠る。

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