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2006.03.07

金融業と金銭欲

メーリングリスト「JMM」で、山崎元さんが面白いことを書いていた。他の金融業関係者が当たり障りの無いことを書き連ねている中で、いつもながら痛いことを冷静に書いている。

今回の設問「金融機関への就職を目指す若者に対して、あるいは再就職を目指す中高年に対して、何かアドバイスをお願いできればと思います。」に対して、端的に「お金が好きでなければ金融業には向いていない」という。

勉強したいという「知識欲」、褒められたいという「名誉欲」、自分にも他人にも正しいことをさせたいという「正義感」、などがモチベーションとして強くて、「金銭欲」はそれほどでもない、という人は、金融の世界では、その人の能力に比して成功していないように見てきました。

(中略)

顧客の決算対策のための店頭デリバティブ商品、成功報酬型のヘッジファンド、引け値ギャランティー、各種の裁定取引といった、過去十数年くらい大きな稼ぎを生んだビジネスの仕組みは、冷静な脳で客観的に判断するとインチキ臭さが直ぐ分かるようなチープな仕掛けでした。これらを「理解」するのに、さして複雑な知識や深い推論能力はいりませんが、これらが商売として有望だと「思いついて」、「徹底的に実行する」には、人並み外れた金銭欲が必要だったはずです。

しかしその一方で、際限ない金銭欲が行き過ぎないように、明確に一線を引くことも必要だという。
こうした「一線」は、ある意味では金融マンとしての自分のビジネス的成功の限界を画するものでもありますが、多くの場合、お金の誘惑と背中合わせの危険を避けるための防衛本能として有益です。金融マンは、自分の金銭観を、明確な言葉で自覚すべきです。
そう言う山崎さんご自身は、金銭欲が淡白であるために「金融業には向いていなかったように思う」と言っている。
客から直接儲ける証券会社(セルサイド)よりは、直接的にはマーケットを相手にする資産運用業(バイサイド)の方が私の価値観には合っていましたが、後者も結局、薄弱な根拠の下におそらくは実際の価値以上のお金を顧客から巻き上げている、という商売の本質が、過去十数年の間によく分かってきました。

 
金融業で儲けている人からは、こうした意見は決して出てこないだろう。世の中は投資流行りだそうだが、中の人からの穿った意見に耳を傾けてみることも時には必要と思う。

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