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2006.02.11

ジャーヘッド

戦争というのは、陸上兵力で圧倒しない限り勝利で終わることはない、という話しを聞いたことがある。戦争の目的が占領であるなら、それはある意味で正しいだろう。

この「ジャーヘッド」は、そういう戦争の基本は変わらないまま、一方で兵器も情報も地上の兵士達のはるか頭上で展開されるようになってしまった過渡期の小さな戦争の断面を、地上を歩く視点で描いてみた、といった趣だ。以下ネタバレあり。

この映画中で、死体が出てくるのは1回だけ。たぶん逃げ遅れた民間人だろうか、家財道具とともに焼け焦げたものだけだった。
衛星軌道から相手の動きがわかるような軍勢が、大部隊単位で不意打ちを食って焼け焦げになるということは、もうあり得ないのだろう。

その点でこの映画は、これ以前の戦争を描いたものと大きく違う。「プライベートライアン」の冒頭30分で描かれたような緊張や阿鼻叫喚は、「ジャーヘッド」には出て来ようがない。

代わりに出てくるものは、兵士の日常だ。プレスをかけて相手を後退させるのが戦術の基本だから、突撃もへちまもない。爆弾を落として相手を下がらせたエリアへ、奪い返されないように乗り込んでいって気勢をあげておく、という日常だ。
そんな中で兵士の戦う本能は(訓練の成果で)古いままだから、結果、観ている側からは喜劇に映る。

「俺にも1人くらい殺させてくれー! こっそりでいいから。」というくだりは、「兵士が人間から殺人マシーンに変化しうんぬん」などというものでは全くない。

そう。この映画は喜劇を意図しているのかもしれない。とりわけ、時代遅れと言われがちな海兵隊の喜劇性を描こうとしたのかも。


とはいえ、わしらはそれほどこの映画を笑って観ていていいものでもない。
お隣の大きな国は、いまだにたいへんな数の兵隊を抱えて増強を続けているらしいし、もうひとつお隣の小さな国は、ミサイルの照準をセットするとかしないとかを国交正常化交渉の席でちらつかせたりするらしいから。

米軍は、そんなわしらが効果的に使えるカードには違いない。海兵隊のジャーヘッド君達に一応感謝しつつ、十分活用させてもらいたいものだ。
 
 
なんだか気の抜けたコーラみたいな感想だな。

[追記]
そうそう、スクリーンの入り口でなぜか「ミュンヘン」についてのアンケートをとっていた。「ミュンヘン」あんまり観られてないのだろうか。
ちなみに私も観ていない。いまさらミュンヘンオリンピックでもないと思うんだ。「ホテル・ルワンダ」と重なってるのも少し不運だったかも。

[追記2]
AEON FLUX の予告編を映画館のスクリーンではじめて見た。
案外普通だった。オフィシャルサイトのビデオクリップを見たときは「凄い!」と思ったのだが・・。画面サイズ、編集、どちらに問題があるのだろう。
「KING KONG」の予告編がさっぱりで興行的にもぱっとしなかったが、改めて、予告編づくりって難しいよね。

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