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2006.01.08

歓びを歌にのせて

息が止まるほど、すばらしい映画。今年最高の作品に早くも出会ってしまった。スウェーデン国民の5人に1人が観たというのも頷ける。
派手な演出も凝った技術もないが、登場人物の背景とお話しとが響きあってすばらしいハーモニーを奏でる。


知らなかったのだが、スウェーデンという国は聖歌隊の活動が盛んなところなのだそうだ。国民のおよそ1割が、聖歌隊活動をしているらしい。

ケイ・ポラック監督は、その文化を調べる中で、聖歌隊のリーダーと語り合ううちに、この脚本を少しずつ作ったのだという。

広く行われている活動だから、参加者の様々な個人的日常的な事情とそれを反映したエピソードがそこにはあるのだろう。聖歌隊のリーダーの話しの中には、そんな話しがたくさん含まれていたに違いない。

国教の福音ルーテル教会についての話し、男女平等、高負担高福祉の話し、その環境で発達した個人主義の話し、その行き過ぎなど。

この映画は、そうしたエピソードの数々を消化して、さりげなくお話しに組み入れながらも、それに流されることなく、声を合わせて歌うコーラスの活動をしっかりと軸に据えて、生きる歓びを溢れるように描いている。福祉国家のお手本と言われながらも必ずしもいいことばかりではないスウェーデンという国で、それこそが、監督が最も描きたかったことだろう。

最大のテーマである生きる歓びを余すところなく演じたのが、レナ役のフリーダ・ハルグレン。惚れました。
主役のはずだがむしろ様々な場面で触媒の役割を担ったダニエルを演じたミカエル・ニュクビスト。そのほかのキャストも、実にいい演技でした。

いまは上映館は少ないけど、もっと多くの人が観られるようになってほしい。
そして、作中で牧師が音楽家に言った苦渋の台詞を、じっくり味わってみてほしい。

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