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2005.12.26

耐震強度偽装への対処は社会のベクトルを決める・・かも

「耐震強度偽装の深い闇」 日経本紙 経営の視点

イーホームズの藤田社長は偽装物件の建築主だったヒューザーの小嶋進社長から「行政が見抜けなかったものを公表し、正義を貫いて何の意味がある」と迫られたと衆院参考人質疑で答えている。
私は、一応、学校を出て2年で一級建築士の資格も取ったし、そのころは設計もしていたから、闇としてではなく実情としてある程度知っている。

技術的な対応としては、施工後にも配筋などの構造をチェックできる安価な技術を普及させ、インチキは後で必ずチェックできるという環境をつくることが最善だろう。それは技術的にはできない話しではない。少なくとも、半導体やバイオテクノロジの分野で技術開発するのに比べたら、赤子の手をひねるようにやさしいはず。
つまりは、事前調整型から事後チェック型への移行を徹底させるというだけのことなのだ。

しかし、その程度の単純な話しでさえなかなか浮上せず、保険だとか確認申請の厳密化だとかの目くらましばかりが強調される点にこそ、この問題が抱える困難があると思う。


ヒューザーの社長の言い分は、業界村の一員として村の利益に反することはけしからん、ということだろう。それがまさに、この業界の昔から変わらない体質だ。
対してイーホームズ社長の行動は、自社の生み出す付加価値、存在意義が、施主からの信用を源とするという確信に基づいている。それが、新しい時代のまともな感覚だ。

世代論は限定的にのみ使うのがよいと思うけど、これはまさに世代論があてはまるケースだと思う。ある年代以前に属する人にとっては、業界村は世界の全て。倫理と論理の基準なのだ。自分が生み出す価値は誰に向けたものかという意識が薄い。

いま、改革という名前で呼ばれるものは、ほぼ共通して、この時代遅れになった村感覚を駆逐するというベクトルを持っていると思う。

構造偽装問題やアスベスト問題に対する国交省の対応は、改革と呼ばれるものに対する社会の姿勢と強い相関関係を持ちながら、今後の社会の向かう先を決めることになるかもしれない。上で書いたような意味でまさに改革者である現首相の、その引退後が取り沙汰されている昨今、この問題への対処は案外大きな意味を持ちそうに思う。

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