« 耐震強度偽装への対処は社会のベクトルを決める・・かも | Main | ネット接続不調 »

2005.12.29

ロード・オブ・ウォー

武器商人の話し。あっさりまとめていて、ストーリーも飽きずに最後まで見られる。悪くない出来。
冒頭の、ノリのいい音楽をバックに流れるクリップ映像が、銃弾が製造されてからどんな人の手を経て誰に渡るかを、手短にまとめている。そこまでは、社会勉強。そして、そのクリップの最後、そこでノリのよさは一瞬、凍りつく。
だが、ニコラス・ケイジ演じる武器密輸商は、それをなにげなくひきとって、映画を始める。


監督は、これは武器密売に対する批判を含んでいるとインタビューの中で言っているけれど、批判というよりは事実の指摘だと思う。この手法はうまい。

思想に基づく批判は、その思想自体を攻撃することで切り返すことができるけど、単なる事実の指摘に対しては、反論の糸口がない。そして、その事実を、批判される当事者が世間から隠したいと内心思っていることであれば、この方法は最も効き目がある。この映画は、それをエンタテインメントとして処理することで、多くの人に見せることに成功している。


さて、武器密売に対する社会派的な批判の視点は置いておいて、私はむしろ、この主人公の淡々とした商売の進め方の方に興味を覚えた。妻のために半年ほど本業を休んで、通常の商売に切り替えたときの台詞がいい。「これで儲けるのは難しい。競争相手が多すぎる」
過当競争を避けて、できれば独占できる市場を見つけるか作り上げることは商売の有力な手法だ。この主人公はそれがよく分かっている。

映画の最後には、こうも言う。「生き延びる方法は、自分自身はそれに関わらないことだ」。
これも、よく知られている話しだ。金鉱を探す山師になるのではなく、彼らにジーンズを売ること、あるいは、株の銘柄を選んで投資するのではなく、その取次ぎをして手数料を稼ぐこと、それが、低いリスクで確実なリターンを得る方法には違いない。

この主人公は、その、商売の法則が分かりすぎていて、取引の合法性にはやや無頓着だったようだ。最後には、最愛の妻の通報で尻尾を掴まれてしまうのだが、そこからリカバーする方法に、この男の達観が見える。


ところで、私にはわからないことがひとつある。武器の売買と武器の密売では善悪に違いがあるのだろうか。あるとすればそれは何だろう? 文民に制御されているかどうか、だろうか。少し違う気がする。

RPGの中で辺境を旅しているときに武器屋に出くわしたりすると、実は嬉しい(笑)私には、そこがよくわからなかったりする。

|

« 耐震強度偽装への対処は社会のベクトルを決める・・かも | Main | ネット接続不調 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/7081/7893421

Listed below are links to weblogs that reference ロード・オブ・ウォー:

» ニコラス・ケイジ主演「ロード・オブ・ウォー」 [西沢千晶のシネマ日記]
ニコラス・ケイジ主演の映画「ロード・オブ・ウォー - 史上最強の武器商人と呼ばれた男 - (Lord Of War)」を観た。 映画「ロード・オブ・ウォー」は、実在する何人かの武器商人たちの実話を元に、一人の“史上最強の武器商人の物語”として描かれた作品で、“Lord Of War”....... [Read More]

Tracked on 2006.01.07 at 10:21 PM

» 【劇場鑑賞】ロード・オブ・ウォー ―史上最強の武器商人と呼ばれた男―(LORD OF WAR) [ダディャーナザン!ナズェミデルンディス!!]
今世界には 5億5千万丁の銃がある。 ざっと12人に1丁の計算だ。 私が目指すのは・・・ ”1人1丁の世界” [Read More]

Tracked on 2006.01.09 at 06:26 PM

« 耐震強度偽装への対処は社会のベクトルを決める・・かも | Main | ネット接続不調 »