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2005.11.23

奇談

諸星大二郎を映画にするのは、やっぱり無理かもしんない。原作ももっと面白いのを選べばまた違う印象だったかもしれないけど。以下ややネタバレ。

諸星作品の特徴は、すべてが作り物めいているということだと思う。そこが恐怖映画とは異なる点だ。読み手に伝えたいのは、恐怖ではなくて、この世の裏側についての淡々とした記述だと思う。確か「常世」という言葉で表現していただろうか。

だから、蘇った死体は意味無く人に噛み付いたりせず、己の目的に向けてひたすら行動するし、登場人物はこの世の人間も含めて概して無機的だ。

その点、この映画は原作のテイストにほぼ忠実だが、少し演技が過剰だった。監督を責められないが、牧師は諸星作品の登場人物らしくない。佐伯という少女も原作では涙を流すのかもしれないが、あの独特のタッチの絵では、普通に人が泣いているのとは違う意味が生まれると思う。その「つくりものめいた」感じは、残念ながらあの絵でしか表せない。

というわけで、難しいだろうということを確認した映画だった。

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