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2005.11.20

エリザベスタウン

がらがらの劇場で、ゆったりと観てきた。日本人受けはしそうなんだけど、あんまり客が入ってない気がする。若者の挫折と再生というテーマは聞き古したと思われているのかもしれない。

この映画は、人物のアップが多かった。そのことが印象に残るくらいに多かった。なにしろのっけからオーランド君の神経質な表情のどアップだ。その手法はドキュメンタリーを連想させて、普通にエンタテイメントとしてつくられたのとは少し違う印象を残す。

変わってるなあと思いつつ帰宅してからあちこち映画評など見て、理由がわかった。この脚本は、キャメロン・クロウ監督が自分のお父さんを亡くしたときの経験をきっかけに書かれたものだそうだ。なるほど、それで得心がいく。

親の死というのは、人に多くのことを教えるものだ。この映画にはそれがストレートに出ているようで、私には共感する部分が多くあった。キャメロン・クロウは、それを単にそれだけに終わらせずに、大失敗をやらかした若者の再生物語と、人なつこいが(たぶん)少し劣等感を持っている若い女性の古風で手の込んだ自己アピールとを重ね合わせて、面白い三重奏に仕立てたといえる。

じっくりと進む話しの展開は、その三重奏を味わうのにちょうどよいテンポで、せっかちな向きには合わないかもしれないが、私は悪くないと思った。


始まりの失敗談は、現実にはありそうにないが、大げさに誇張された役員室への道のりなどから、誇張だというメッセージが伝わってくるので了解できる。終わった頃にはそんな瑣末なことはすっかり忘れてしまった私には、この映画の値打ちには関わりないと思えた。この映画は、最後のオーランド君の決め台詞を目指して、ゆっくりと進行する趣きなのだから。

オーランド・ブルームは、都会育ちで少しひ弱な感じの若者役にはぴったり。キルスティン・ダンストも、男に気持ちを伝えたい女の複雑さや遠回りの賢さを演じるのはうまい。
この二人は意外にいい組み合わせかもしれないな。どこかでまた共演してみせてほしい。

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