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2005.10.23

薬価の算定にインセンティブ要素が欲しい

薬価費抑制へ「新薬価」 日経本紙

薬の公定価格を、市場価格に連動させる制度がはじまるらしい。これから膨らんでいくはずの医療費を下げる手はなんであれ打っておくのはいいことだ。

記事によれば、先発薬・後発薬それぞれの価格をシェアで按分した価格を公定価格とするとのこと。これはこれで一見悪くない方法に見える。後発薬のシェアが上がるほど、新薬の公定価格の下落率が大きくなり、雪崩式に後発薬の価格に収斂していくことが、理屈上は保証されているからだ。

しかし疑問もある。業界関係者が、価格の高い新薬を使い続けるという暗黙の了解のもとで動いてしまうと、この雪崩式の仕組みは働かない。あいかわらず薬の価格は高止まりしたままになるおそれがある。

そこで、別の方式をひとつ想像してみた。

病院が使用した薬剤を申請する際には、レセプトと呼ばれるものをまとめて、いわば領収証の経理処理と似通ったことをやるのだと聞いたことがある。レセプトの処理はなぜか電子化が進まず、これも医療経費押し上げの一因として問題だとは思うのだけど、その話しはとりあえず置いておく。

このレセプトに記載されるのは、おそらく薬の製品名だろうから、これを機能単位の記述に変換する方法をとってみる。そして、その機能相当の薬の価格を、この度採用されることになった市場シェア按分方式で算定することにする。

すると病院側は、実際に使用する薬には購入価格の安い後発薬を使い、申請には、その機能に対する新発薬、後発薬の中間の価格を使うことができるので、その価格差のさやをとることができる。
もしこうであれば、病院にとって、後発薬を積極的に使用する大きなインセンティブになるだろう。もちろん、多くの病院が競って後発薬を使えば、一定のタイムラグを置いてから市場シェアに反映されるから、さや取り状態が長く続くわけではない。つまり、病院の不労所得をいつまでも放置しない仕組みが自動的に働く。

この想像上の方式は、病院に後発薬を使うインセンティブを持たせられる点がミソだ。そうすることで、価格の安い後発薬への移行を速やかに進めることができるのではないか。

厚生労働省が本気で医療費の膨張を心配しているならば、関係者それぞれの行動のインセンティブが、政策意図を実現する方向に働くようなひと工夫が欲しいところだ。

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