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2005.10.23

コープス・ブライド

話しはオーソドックスだが楽しめる小品。これで本当にパペットかと思うような、微妙な表情の撮影に成功しているところが、さすが。

はじめの方で死体の花嫁が登場するシーンが怖美しい。中間あたりでは、花婿と死体の花嫁がピアノを挟んで微妙に打ち解けるところで、「こ、このヤサ男、少しはやるじゃない」的な花嫁の表情の微妙さ加減がすごくうまいと思った。
花婿の誘いに乗って二人で地上に戻ったが騙されたと気付いたときの花嫁の怒りと恐怖は、もう人間臭さ100%全開。これのどこが死体? と言いたくなる(笑)。

という具合に、死体を多数登場させながらも、生きている人間の延長として描くことで、親しみやすさを保っている。その一方で、死体ならではの違和感や怖さを混ぜ込んで、あたり前過ぎるストーリーを上手にもたせている、という感じか。

この手法がきちんと結実するのが、最後の結婚式前の大移動の場面。式に出席するため教会を目指す死体一同と生きている村人があちこちで遭遇するのだが、村は恐怖よりもむしろ懐かしさで満たされる。このあたりはほろりとくるところ。実写ではこうはいかないだろうから、パペットアニメの利点を最大限利用し尽くした技ありのストーリーだ。場所の設定を、都市ではなく、さほど大きくない村にしているのも利いている。
そういえば「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」もそういうパペットの使い方がうまかった。

「スリーピィ・ホロウ」のあたりから、私はティム・バートンとジョニー・デップが好きなのだけど、そのわけは、死の向こうに生の延長を見るスタンスにあるのじゃないかと思う。戦後の日本人はそういうものを忌避しているように表面上は見えるけど、深いところではやはり共感しているようにも思う。

さて、この映画の締めは、何と言っても教会で死体の花嫁が吹っ切ったときの、泣かせる台詞。後味すっきりのこの場面は、これはもう見てのお楽しみ。

というわけで、人形アニメと馬鹿にせずに観て十分楽しめる一本でした。

そうそう、制作は「チャーリーとチョコレート工場」の撮影と並行して行われたそうだけど、ジョニー・デップの「乾いた笑い」は、両方に登場していた。
あれは流用したのかな。あんまりよく馴染んでるから。(笑)

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