税の取り様はいろいろある話
「財政構造改革と預金課税論(再び)」
(こちらがオリジナル論文)
徴税の技術論のようですが、オリジナル論文の方は、銀行の利息にリスク要素を織り込んで、より変動しやすい(=調整しやすい)ものにしようという、広い視点で書かれていて、たいへん面白いです。
私には、その全体を取り上げる力はありませんので、やや揚げ足取り気味ですが、気になる点だけクローズアップしたいと思います。
また、路地裏の商店までのレジやシステムの大規模な変更が必要な消費税に比べて、銀行のシステムをちょこっと修正すればいいだけの預金税の方が、民間の現場に対する痛みも少ないし、「徴税」もはるかに楽なはず。これはひとつの理屈ではあります。税を取る側に立った場合の。
取られる側にしても、国のコスト削減が取られる額の減少に繋がるならば、悪くはないかもしれません。
ですが、預金税は、取られる側から隠蔽されやすく、納税者のチェックが甘くなるので、長い目で見るとあまりよくない気がします。たぶん「stickiness」よりは「無関心」の側面が強く出るのではないかと。
よく知られている同じような例に、サラリーマンの源泉徴収の話しがあります。中央集中にしたほうが、徴税が効率的で全体のコストダウンになるのでよいとする意見がある一方で、個別分散のほうが、それぞれに納税の切実な痛みを感じさせることで、問題に対する関心を高めるのでよい、という意見もあります。
上の記事は、個別の判断力や関心を高めるよりも、全体コストが下がる方がよいとする考えで、一見近道のように見えますが、「知らしむべからず」につながりやすい危険はあります。
私は、痛みを感じさせない源泉徴収方式が税に対する無関心を生み出し、いろいろな問題の解決を遅らせたり誤らせていると思うので、上の記事に書かれている預金税というものには、その点では疑問を感じます。
もっとも、知ったから何かするのか? といわれると、しばし手を休めて考えてしまうのですが(笑)。


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