NANA
いい映画を観た。もっと早く観ればよかった。
ボーイッシュだけど繊細なナナと、きゃぴきゃぴ自己中だが人を和ませるナナのうまいコンビ。話しの展開がうまい。台詞まわしがいい。このあたりはきっと原作がいいのだろうな。少女漫画侮れん。以下ネタバレあり。
私は首都圏で生まれ育って、地方で生活したことがない。(横浜は大きな田舎ではあるのだけど)。だから、地方から上京してきて、それでも地方時代の人の縁を失わずに、都会でたくましく泣き笑いしながら成長する話しというのは、本当のところではたぶんわからない。
そういう都会育ちの子供たちは、いまや千万の単位でいるだろう。そういう人たちには、こういう映画はぐっとくるものがあるのではないか。それともくさい芝居と思うだろうか。私はいいなあと思った。少し羨ましい。
自分にはボーイッシュなナナが持っているような繊細で深い情動は無いなと思う。男と女の違いを勘違いしているかもしれないが、やはり都市と地方の違いと思いたい。
例えば、成功したレンを訪ねていったナナが、自分の力で生きていこうと思うと言ったあと「でも、もし年をとって歌うのにも疲れたら、あそこ(レンの原点の倉庫のアトリエ)に(自分も)戻ってもいいか」と聞く場面がある。そういう、帰るべき「原点」や「故郷」は、いまの都会育ちのわれわれが失ったものなのじゃないか。
都市と地方、男と女、アーティストとパンピー、いろいろな違いが微妙に入り混じって、うまく奥行きを出しているのが、この映画の良さだと思う。
後でよく考えると、ありがちな類型なのだが、構成も演出もオーソドックスでありながら巧みで、うまくのせられる。完成度の高い映画とはこういうのを言うのだろう。
いろいろ書いているうちに原作漫画を読みたくなった。明日は休みだな・・・
そうそう、ナナ役の中島美嘉の歌は紅白に出るほどの本職だけあって圧巻。これも嬉しいことのひとつ。レイラ役の伊藤由奈の歌もよかった。
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