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2005.08.14

蕎麦つゆ

なぜにこれほど行楽地が混んでいるかというと、そうだ、今年は人と同じ時期に夏休みを入れたのだった。お陰でどこへ電話しても人混みの気配がして、東京を出る気になれない。慣れない時期の休みはとるものじゃない。失敗した。

半端に仕事をしてみたりしているうちに、ふと、先日雑誌か何かで紹介されていた蕎麦屋を思い出した。翁の弟子という人の一人が横浜でやっているというので、ふらっと行ってみた。

元町から運河を遡って左岸にあるらしいのだが、意外に遠い。バイクでなかったら途中で諦めてるところだった。

さて蕎麦だが、残念ながら当方、蕎麦の味などわからない。
で、この話しはおしまい。

ではない。そう、「つゆ」だ。

翁の蕎麦はつゆが格別だった。すだちだろうか、柑橘系を思わせるさわやかで微かな味で「清烈」という言葉が味の向こうに浮かぶような、そういう体験だった。もちろん、そばつゆとしての味がしっかりした上でのひと工夫なのだが。

その翁も広島へ引っ越して名前も「達磨」に変わったらしい。だいぶ以前に、代変わりした小淵沢の翁を再訪してみたが、あのつゆの味は失われていた。


普段はできあいの乾緬に、大手メーカー製のあわせだしで十分な私のような者でも、そうした違いがはっきりわかってしまうのが、食べ物のこわいところだ。調理の世界の芸術路線はまことに狭くて険しい道だなあ。

それにしても広島はないでしょ。遠いなあ。

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