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2005.08.16

表と裏

土井健郎

書評的なことを書くのがためらわれるようないい本。
平易な言葉で味のあることを書いている。と思う。

書評のようなことを書くのがためらわれる理由は、この本の言いたいことに由来する。
この本が伝えたいことを手短に書こうとすると、「世の中には容易には、あるいは表層的分析的には、さらに言うと万人が科学的に共有できるようなかたちでは、知り得ないことがあって、それこそがヒトの希望の源である」、というようなことを言わなければならない気がするのだけど、言葉にすると「ふーん」で終わってしまうようなものなのだ。

というわけで何も書けなくなった(笑)。


とりあえず、いくつかの印象だけメモ。

・「オモテとウラ」は太極図みたいなものかな。置換可能な対称性のある二つのもの。
・「建前と本音」は「公と私」に繋がっている点で、対称性が多少崩れている。(私:それは深みをもたらす)
・この二面は互いに依存しており不可分な関係にある。
・米国流の個人主義というものは、建前と本音の区別がないという建前を持つが、個人の最も深い要求が認知されていないのは奇妙だ。(それは米国社会の病理となって表れている)

そのあとは、本音と建前のバランスを欠くことが如何に問題を引き起こすかを説きながら、「本音」の話しを「秘密」の話しに移行させ、秘密こそがヒトの希望の源であることを言っている。


この本はもう少しよく読む必要がある。というか、現実の問題を考える際に手元に置いて参照する必要があるかも。
とりあえず即物的には、「希望」のレシピとして。

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