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2005.05.05

九州ツーリング記050501


6:00
起きてみれば雨。この時期の雨は暖かいので嫌いではない。テントを畳んで高森駅に寄ってみる。南阿蘇鉄道トロッコ列車の終着駅として有名とのこと。雨の早朝ということもあって、フランス語を話す若い男女がいるのみ。駅長らしき年配の人がいろいろ話してくれる。阿蘇-熊本間の交通が繋がるまでは、この辺りは商店街として賑やかだったらしい。高千穂から日向方面へ通じる鉄道の計画もありトンネルまで作ったのだが途中で計画中止となった経緯などがあるそうだ。駅長、やや悔しそう。
なるほど、この南阿蘇という位置は、九州の東、西、どちらとも繋がる可能性があったのだろう。現在の九州の交通網は西側で発達しているが、東という選択肢が真剣に検討された時期もあったのかもしれない。
「都会に比べるとこのあたりは田舎でしょう」と言うから「人が昔から住み着いているためか、人に馴染んでいる感じがする」と応える。文化的な人間の心配りが長い年月積み上がって、こういう里ができるのであって、電子機器やら鉄とガラスとコンクリートやらで比較的短期間に組み上げた街には無い結界がこうした里にはある。千年単位と百年単位の違いなのかも。ちょっと持ち上げ過ぎか(笑)。


8:00
やや激しく降り始める中、高千穂へ移動。途中林道を使って天岩戸神社への経路をショートカット。久々にオフロードバイクの本領発揮。といっても、荷を積んでいるので後輪が重い。ガレ場が続く登り下りを慎重に走る。林道の出口に雨カッパ姿の村人が集まっているので、神社への道を聞きがてら状況を知らせる。「倒木が一箇所ありバイクはOKだが4輪は無理」と伝えると、長らしい者があれこれ指示をだし始める。多少は役に立ったのか。公共工事について都市生活者として総論ではいろいろ思うところはあっても、里人の現実を見ると口は重くなりがち。


9:00
で、天岩戸神社。申し出れば神主同伴で、岩戸を拝めるというので、早速申し込む。若い見習いらしき人が1対1でやってくれる。まずお清めをしてから岩戸へ向かうところが物々しい(笑)。岩戸そのものは今では木々に遮られて見えないが、なるほど縦の裂け目はあるように見える。まあ、そんなものだろう。天照大神一族の系譜を漫画的に書いたものがあって楽しい。若い見習いさんに参拝客のことなど聞くと、やはり観光目的で連休中と紅葉の時期に来る人が多いとのこと。信心のない氏子で申し訳ないが、先方も慣れているようだ。なお、タヂカラオがぶん投げた岩戸が落ちたのが今で言う長野県は戸隠とのこと。ホントか(笑)。


12:00
通潤橋へ移動。休日正午に放水の実演ありということで、速度をあげて舗装路を爆走。放水5分前に到着して一部始終を見る。豪快。放水もさりながら、石造の水道管に驚く。渓谷を挟んだ両側の峰と峰を、石造の管で繋いで水を流しているのだが、高低差ではなく、水圧を使って流しているので、管には密閉性が求められる。それを石工の技術とパテだけでやっているのだ。管は峰と橋の間を繋ぐ部分で垂直・水平方向それぞれにカーブしており、動物の脊椎のような石管のパーツは、個々に微妙に異なっている。接続面に切られた二重の溝がぴったりはまるようになっていて、水は概ね内側の溝で封じ込められている。補修はいまでも行っているそうだ。ほかに、通常の用水路からこの用水管に水を導くための貯水槽のつくりかたも知る。用水路の高低差と2つの水門を使った簡単な仕組みだが、見ればなるほどと思う。もちろんすべて石組みと木組みでできていて、こうした知恵と、用いる材料とはあまり関係がないようだ。
雨はようやくあがってきたが、晴れにはならず。


13:00
この後高速を使って霧島へ移動。ひたすら走る。トラックが妙に大人しい走り方をしていると思いつつ、先日NHKで見た流通業のルポを思い出す。トラックの運ちゃんが菅原文太風だったのも今は昔。昨今は燃料費節約のためGPSやなんやらで走り方を細かく把握されて、一定スピードで走るよう指導されるのだそう。ここでもヒトの部品化が進む。


15:30
高速を降り、えびの高原キャンプ場を目指して登るにつれて霧が濃くなり、ついには5m先も見えない有様。最徐行で進む。白くて背の高い観光バスが突然同色の霧を割ってぬっと現れたり。おのれ妖怪!状態で錯乱(笑)。

目的地と思しき場所に辿り着くが、何しろ周囲は白い壁で状況がわからず途方に暮れる。徒歩ですぐそこにあるはずの管理事務所を探して歩く。途中鹿に会う。濃霧の中を跳ね回る影だけが見えて幻想的。管理事務所でキャンプ場の場所を聞いてようやく設営。赤松の林の中、人影もなく星もない。林の上を吹き過ぎる風の音を聞きながら寝る。

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