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2005.03.19

こどもとインターネット2題


「オレ様化する子どもたち」内田樹の研究室より。
この中で、『オレ様化する子どもたち』という本が紹介されていた。

金と情報がこどもの生活の隅々にまで入り込み、こどもは「今や経済システムから直接メッセージを受け取る」消費主体であるという点を紹介したあと、こう書かれている。

子供がこの先幸福に生きて行くためには、「教育の客体」という立場をあえて引き受けて「生活主体」「労働主体」としての自己形成をたどることが不可欠であるということを熟知している親たちの子どもは「学び」に向かい、そのような文化資本を持たない家庭の子どもは「学び」から逃走するだろうと諏訪さんは予測している。
親の教養の差、文化力の差、人間についての洞察の深さの差。そのようなものを「前期消費社会」は資産にカウントする習慣がないが、私たちが踏み入りつつある「後期消費社会」においては、それが階層分化の決定的なファクターになる可能性があるという諏訪さんの仮説は私にはとても刺激的なものであった。
この種の話しは、TVが一億総白痴化を招くと批判されたときから繰り返されている。(あるいは学問的にはもっと昔からかもしれない。)一方、TVによって物欲を刺激された人々の活動が、この国を経済大国に押し上げたのだろうとも思う。それを悪かったとは、一概に言えない。



現代のオレ様化するこどもたちは、一体どこで消費主体としての教育を受けるのかといえば、もちろんTVなのだが、ネットは双方向的かつオンデマンドな分、TV以上に危ない面が確かにある。

子どものネット利用を制限する親が増加、米調査

情報(いわゆる有害情報)のほうを、法的な面も含めて制約するのは、インターネット上でこれだけ多種多様な情報が流れる中で、相当困難(ほとんど不可能)でしょう。
そこで、フィルタリングソフトに期待しようという話しになるのだが、果たしてその方向で問題は解消するのか?
付いたコメントのなかに、こうある。
少しパソコンやネットに詳しくなった中学生なら、親や学校が設定したフィルタリングソフトを回避して、ネットポルノに接続して遊んでます。子供がパソコンやネットに精通して親の力量を上回るのが、最近の傾向かも知れません
ひとりがそうしたことを始めれば、友達つながりであっという間に広がるものだ。

こどもがITスキルで親を上回る流れは、おそらく止められない。その結果、ますます消費主体としてメディアから直接教育されるこどもは増える。

こう書くと、やれポルノだ、やれ少女売春だと尖った方向に目が向きがちだが、私は、良質な参加型ジャーナリズムに希望を託したい。

こども達は、確かに有害情報をネットで目にするかもしれないが、同時に、それを批判する良質な意見も多数読むのではないか。多くの情報に触れながら、やがて来る自分達の時代に必要な平衡感覚と思考の枠組みやスキルを学んでいくのではないか。何か想像もつかない価値観の転換が、その先に起きるのではないかとさえ思う。

これは典型的なパンドラの箱なのだ。


箱はもう開けられてしまって、二度と閉じることはない。規制もほどほどには必要かもしれないが、より効果的で本質的な解は、有害情報に勝る量と質の良質な情報を流すことではないか。良いものを感じ取るこどもは、その中から自分に合うものを選び取っていくだろう。

という考えは楽観的過ぎ?

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