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2005.01.16

仕組みの移行は表面は穏やかに

 風邪が抜けないので家でごろごろしつつNHK日曜討論を見ていたら、おもしろい話があった。

 郵政民営化によって、官のお金が民に流れるであろうという竹中さんの主張に、内橋さんが、民とは一体誰なのかと噛み付いて、続いてUFJ研の五十嵐さんから、郵政公社が民営になっても国債中心の運用が続くなら官から民への資金移動の点では効果が限られるという話しがあった。

 それはつまり、現状の日本の民間金融機関は官営と同様の低い生産性、利益率しかないということだ。それについては竹中さんも、民間金融機関はこれまで民間の資金需要をきちんと拾えてこなかったと認めていた。国債の利率よりも預金金利が低い状態は、先進国では日本だけだと。

 それに続く「民とは誰か」の議論は焦点が多少ぼけた気がする。確かに、民間金融機関が官業と大差ない営業内容で、むしろ預金者の富を収奪していると見ることさえ出来る状況では、民営にしたところで当面の効果には疑問がある、という一方の主張は理解できる。
 しかし、当面、表面的な効果はなさそうに見えても、仕組みを変えておくことはとても重要だ。私は、制度として民営にすることには賛成。また、その移行時には大きな変化が起きないほうがむしろよいと思う。

 小さな政府に向けての移行には、大きな抵抗や混乱があるのだろう。それを避けるために、制度の変更は、表面的には穏やかに行える時節に、変化を抑制する方法で行うのがよい。
 水面下の仕組みが変わることで、小さな政府に向かうようにきちんと方向づけが成されていれば、あとは自然に変わっていくはずだ。それで政策意図は達成できる。
 実際の変化がどのようなタイミングで、どのような規模で起きるか予想することは、予言に近い不確実さを伴うから、実際的な政策としては、そうしたことにあまり触れずに、ただ仕組みを整えることに専念するのがいい。


 その他、この番組で印象に残った点を簡単にメモ。

 民営化による過疎地域切捨ての不安に対して、竹中さんが出した電力会社の例はとても納得がいった。一方で、離島に飛行機が飛ばなくなったという内橋さんの意見もわからなくはないが、船という別の選択肢がある点が、郵便事業とは異なると思った。

北城さんが「これから行われる特殊法人の改革についても・・」という言い方で、郵政民営化の次について釘を刺していたのが、印象に残った。竹中さんはそれには直接答えず、少し間を置いて別の議論の中で、郵政が1の丸とすれば、二の丸は政府系金融、三の丸は。。と間接的に応えていたのもまた印象に残った。この人はちゃんとわかってやっているなという印象。


 こういういい番組は民放に期待できるはずもないのだから、NHKも捨てたものではないと思う。検閲うんぬんの話しは本当に残念だが。

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