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2004.10.02

電気自動車はイノベーションのジレンマ

  NHKスペシャルで、電気自動車を取り上げていた。最高時速370キロ。ガソリン換算燃費リッターあたり25km。1回の充電で300km走る。加速はポルシェを上回る。性能は申し分ない。
  仕組みもシンプルだ。車輪の中にモータがあるだけ。ギアもトランスミッションもない。平らな床下に電池がぎっしり詰まっているだけだ。性能の秘密は高性能のモーター。ただそれだけだ。
  欠点は試作品の電池の価格。1台分で2000万円とのこと。しかしこれも、中国メーカーと組めば200万円になる。量産すれば当然、もっと下がる。

  ところが日本メーカーは及び腰だ。確かに、現代の車は移動するだけでなくいろいろな楽しみの要素を持っており、環境問題も大事だが車の楽しさも大事だ、というメーカーの主張はわからなくもない。乗り味とか操る楽しさなどがあるのはわかる。それが好きな人は、これまでどおりガソリン車を選べばよい。
  しかし、買い物の足や、楽に移動する手段として車を捉えている人も多いはずだ。その需要も大きいのではないか。自動車メーカーは顧客の声に本当に耳を傾けていると言えるか。

  自動車メーカーの本音は、複雑なガソリンやディーゼルエンジンの製造力で寡占化した自動車市場を手放したくない、ということかもしれない。電気自動車のようなシンプルなものを認めれば、電池メーカーなど異業種からの参入で、これまでの優位性を失うことは、容易に想像できる。現に、モーター製造力のある日立製作所が、電気自動車を武器に自動車市場に参入か、というニュースが流れたこともあった。自動車メーカーがそれを喜ばないのは当然だ。

  しかし、手をこまねいていては、中国メーカーに先を越されるだろうことも明らかだ。番組でも取り上げていたように、彼らには、護るべきガソリン車市場などない。これから自動車市場をつくっていくにあたって、電気自動車をはじめから選択肢として持つことに、ためらいはないだろう。

  まさに、イノベーションのジレンマ。絶好の実例がここに。いまは絶好調に見える日本のガソリン・ディーゼル車メーカーは、このジレンマを克服できるのか。

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Comments

非常に学ぶべきこと、考えるべきことが、あった良い番組でしたね。
8輪駆動ハイパワーの電気自動車を、慶応大学が自動車メーカー抜きで作っていたことに驚かされましたが、それ以上に電気自動車の歴史に驚きました。ポルシェがパリ万博に電気自動車を出展していたことは全く知りませんでした。
T型フォードの大量生産システムと油田開発がなければ、電気自動車がもっとポピュラーになっていたかもしれませんね。

Posted by: umex@白梅亭 | 2004.10.03 at 09:24 AM

電気自動車があんなに古いものとは知りませんでした。
http://umezawa.cocolog-nifty.com/blog/2004/08/2000.html
こちら↑で取り上げておられる「2000年間で最大の発明」にも、電動モーターが入っていますね。内燃機関が見当たらないのが少し不思議です。

※コメント機能にトラブルがあり、niftyサポートセンターとやりとりしていて遅くなりました。

Posted by: hski | 2004.10.07 at 05:38 AM

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