遊休宅地のコンテナ倉庫
コンテナ倉庫を使っている知人の話では、たいそう便利だということだ。普段は読まない古い本や雑誌で、捨てることができないものを保管しているようだが、他にもレジャー用品や衣類などの保管に使う人もいるらしい。利用料金は月額数万円とのこと。
しかし、派手な色彩のコンテナ倉庫が、低層一種住居専用地域のような、純然たる住宅地に出現するとなると、やはり違和感は否定できない。日経の神奈川版「メガロポリス異聞」にその話しが載っていた。
低層一種住専ともなれば倉庫の建築はもちろん不可だが、業者はコンテナは建築ではないと主張して、建築許可申請なしで設置しているようだ。対して、継続的に倉庫として使用すればそれは建築物として対応するという国交省の姿勢は、まあ妥当なのだろう。そういえば以前、コルゲートパイプの家などというものが話題になったことがあって、日本の建築費用の不透明さと固定資産税への疑問などに共感を覚えたことはあった。が、問題提起の試みとしては意味があるにしても、そのまま一般化するのは無理がある。
とはいえ、コンテナ倉庫が流行るにはそれなりの理由がありそうだ。利用者にとって便利であること、土地所有者にも手軽に収入が得られることなどのほかに、記事では「郊外住宅地の空き地は他にうまい利用法が見つからない」と書いている。
土地の利用規制は住環境を護るために欠かせないけれど、長いタイムスパンを前提に設定するため、社会の需要変化に素早く対応できるわけではない。その用途地域の価値が低くなれば、歯抜けが発生して環境を損なうのは、住宅地も商店街も同様だ。
建築絡みの施策は、金融や情報のように身軽に変化に対応できるものではないが、それでも、基本施策の隙間をうまく調節する、なんらかの仕組みを工夫する必要はあるだろう。全国一律の施行を想定した建築基準法と都市計画法は、たとえば、低層住宅地においても倉庫に対する需要が増えているという事実に対応する仕組みを、備えているだろうか。
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