住宅政策の曲がり角
「「住宅」国どこまで関与」日経本紙から。
10年以上昔だが、公営住宅に関わる仕事を通じて、いろいろなことを学んだ。当時から制度への疑問はあったが、なかなか改善は難しいようだ。「家賃補助でなぜいけないのか」の一文が、問題を所在を簡潔に表している。
本来は、生活に困った人たちの住まいを確保することを目的としていたはずの公営住宅だが、民間の通常の賃貸住宅より高級な仕様になることも度々あった。
自治体の担当から聞こえてくるのは、「箱型の画一的なものをつくるのは、もう飽きた」の声であり、設計者からは「同じ図面を使い回していては仕事がなくなる」の本音だった。住宅局にすれば、よりよい住宅像について発言する機会を失うのは寂しい、という気持ちもあるだろう。
かつて、作り手側にいた者にとっては残念なことだが、そうした声はやはり、作り続けることだけを自己目的化しており、本来の目的を見失っていると思う。自己満足といわれてもやむを得ない面もある。
関係者は初心に立ち返って、簡素で安価、清潔、堅牢のシンプルなポリシーのもとで、費用を抑えた住宅をつくる仕組みの育成に力を入れるか、あるいは家賃補助に代表されるような、身軽な政策にシフトするか、早めに決断して実行していく道を選んだらどうか。それが、住宅政策における主導権を取り続ける、真の道ではないか。
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