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2004.08.22

西の魔女が死んだ

  こちらで紹介のあった本「西の魔女が死んだ」。図書館で借りようとしたら予約ぎっしりなので、買って読みました。私はものを持つのが苦手で、ほとんどの本は読んだら古本屋にもっていくのだけれど、これは手元に置いておくことにしました。買ってよかった。

  さらりとした文体だけど、ツボを押さえてます。楽に読めるのでお話しの中に入りやすい。児童文学では当然のことなのかもしれないけど。

  それでいて、魔女であるおばあちゃんの言動は含蓄のあるものが多い。孫のまいに起こる事柄も、短い描写で今の世の中をよく映し出していると思います。おばあちゃんが英国人であることが、日本を外から見る眼を曇りなくさせているのもいい。
  いまの子どもは大人びて醒めているそうだけれど、本当はこどもらしい感性や不安定さを押し隠しているだけなのかもしれません。この本はそう思わせてくれます。

  後日談もいれると、ここには3通りの女性の生きかたがでてきます。当然その向こうには、男の生きかたも少しだけ出てくるのですが、まあ付録です(笑)。
  揺るぎないおばあちゃんの生きかただけでなく、世代の違う2人のそれもよく類型化されていて、子どもの頃からこんなにいろいろな事例に触れられるなんて、いまの子どもはなんて幸せなんだろう。

  最後の場面も、泣いてしまう人はきっといると思うけれど、両親の葬式からもうずいぶん時が経った自分には、むしろ清々しく希望に満ちて感じられました。

  そのほかにも、じっくり味わえば噛み応えのあるやりとりや場面が無駄なく連なって、隙のない物語になっているこの本心優しいおセンチで素敵なオジサマ(笑)にも、そうでない人にもお奨めです。

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