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2004.08.10

押さえるの極意

  「持たずに押さえる:ハイテク/インターネットセクターの競争戦略試論」は、「持たざる経営」と言われているものについて少し考えを進めて、持たないけれど(肝心のリソースを)押さえることの重要性を指摘している。

  それで思い出した。以前Pというフランチャイザー会社の役員さんが、私が薄給をもらっていた会社に提携話を持ってきたことがあった。なんだかいろいろな肩書きのついた社員さんが15人くらい、大名行列を連ねてやってきて、2人で対応したこちらの意表を突いてくれたものだったが、まあ、それはそれ。

  話をよくよく聞くと、どうも「我が社のシステムが「まだ」出来ていないので、御社のほうで、注文受付とフランチャイジーへの注文取次ぎをやってほしい」といったような内容だった。
  「フランチャイジーへの取次ぎって、それはフランチャイザーのあなた方でやる仕事なんでわないですかぁ」と思ったのだが、それを言っては、社長つながりでやってきた提携話に失礼だ。専門用語を駆使した合理的な屁理屈を付けて納得の上お帰りいただいたのだった。煙に巻いた? まあ、それはそれ。

  振り返ってみると、あの役員さんは、「持たないけど押さえる」をまさに実践しようとしていたのだなあ、と、ちょっと尊敬する。あのときは、内心ばかにした気持ちを持ってしまったけれど、それは私の未熟でした。
  その一方で、あの話しはやはりお断りしてよかったとも思う。もし受けていたら、「持たされて押さえられて」しまうところだった。そんな割に合わない話しはない。

  これはほんの一例だけれど、「持たずに押さえる」は概ね同じようなものではないか。「押さえる」とは、「持つ」者を、契約なり威圧なり独占的地位のなんとかなりを使って、言うとおりにさせるということなのだ。それができるど厚かましい、もとい、力のある企業が、投資家から見れば、バリューチェーンのおいしいとこ取りがうまい「持たずに押さえる」の極意を極めた勝ち組企業、ということになるのだろう。

  ことは企業どうしの話しに限らないのかもしれないな。人どうしの間ではどうなんだろう。やれやれ。

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